矢野雅哉 選手(10月5日)
― シーズン、お疲れさまでした。
「お疲れさまです」

― どうですか、今シーズン? 駆け抜けたと思うんですけど。
「自分、昨年よりかは成長できているなって結果で現れたので、そこはよかったかなと思います」

― 体とかは?
「いや、体とかは全然、だいじょうぶやし、それはもう今まで野球をやってきて、いろいろな方法で体を仕上げてきたので、そこに関しては別に、特に…」

こだわりを持っていたショートのポジション。ライバルも多い中、実力で勝ち取った定位置だが、その結果に矢野は満足していない。

矢野雅哉 選手
「レギュラーって、開幕から最後まで出るっていうのがレギュラーだと思うので、それができへんかったから、レギュラーってまだ自分では認めたくないっていうか…。認めたくないっていうか、まだレギュラーではないって思っているから。だから来年は絶対に開幕スタメンで出て、143試合フルで出たら、そこでやっとレギュラーになったなって思えるかなと思う」

その意気込みをシーズン終了直後、すぐ行動に移した。

当初、チームとしてはシーズンの慰労も含め、矢野雅哉は湯布院リハビリキャンプへの参加を打診されていた。しかし、藤井彰人 ヘッドコーチに直談判し、秋季キャンプに参加。練習に練習を重ね、伝統の “カープイズム” を全身で表現する矢野は、自分が胸を張れる “本物のレギュラー” を目指し、きょうも鍛錬を重ねる。

矢野といえば…

実況
「痛烈な当たりだ。ショートの矢野、捕るぞ。ノーステップ送球。アウト! よく捕る。そして投げる。先頭バッター・(中日の)カリステ、ショートゴロ、1アウトです」

矢野がなぜ、こんなにもスーパープレーを連発できるのか。その極意を本人に聞いた。肩の強さなのか、手首のやわらかさなのか、どんな体勢でも踏ん張れる脚力なのか…。しかし、その答えはどれでもなかった。