企画したのは、改装中の広島市現代美術館。講師となったのは、フランス出身の木工家具作家「2m26」の2人。そして、実際に制作したのは、ワークショップに参加した子どもたちです。

参加した子ども
「楽しいです」

― どんなところが?
「木材から作って、設計。線を引くところから自分でできるので」

2m26 セバスチャン・ルノーさん
「とてもすばらしいことだと思います。子どもたちが何かを作っているという場面は、子どもたちが一緒になって都市を作っていくという活動にもつながる」
できあがった憩いの場は、近くで働く人たちにとって、どんな印象なのでしょうか?

近くで働く人
「本当に近くなんですが、オフィスの中から外に出て、コーヒーを。光の下でランチできるのはすごく憩いの場。ずっとあってほしいなと思います。期間限定ではなく、こういう場所が続いてほしい」

カミハチキテルの社会実験は、これまでにも2度、実施されています。

2020年には、同じく相生通沿いでバス停前の停車スペースにウッドデッキを設置。そこにベンチや飲食店を構えてくつろぎの場を設けました。停車スペースを埋めてしまうと、停車するバスが1車線をふさぐことになりますが…。

カミハチキテル 若狭 利康 代表
「実際やってみると(バスの)渋滞はあまり起きなかった。成功だった」

カミハチキテルは、来月、三越前の停留所でも同様の取り組みをする予定で、実験結果を今後の街づくりにつなげたい考えです。

若狭 利康 代表
「実際、通りを見てみると、早足で交う人が多く、ゆっくり歩く感じではない。単なる通過点、そういう場所でしかなかった。広島の顔にしたかった」

単なる通過点ではなく、ゆったりと憩える街へ。そのために目指すのは、「トランジットパーク」だといいます。

「トランジットパーク」とは、この相生通を電車やバスなど公共交通機関の通行だけに限定し、歩行者が集える公園「パーク」にしようという構想です。

カミハチキテル 若狭 利康 代表
「車中心の通りから人に優しい通りを合言葉にウォーカブルな場所にしたい。この場所が広島のビジネスマンにとって過ごしやすい場所に、通過点じゃなくてまた行ってみたい、またここで仕事してみたい、そんな雰囲気」

そんな街づくりのためにアドバイスを続ける専門家集団が、アメリカはポートランドに拠点を置くデザイン会社「PLACE」です。

ポートランドは、「全米で最も住みたい街」「最もおいしいレストランが集まる都市」とも評され、いまや世界中から街づくりのモデル都市とされる存在。
