日本製鉄呉地区跡地への「複合防衛拠点」の整備についてです。防衛省が6日、県・呉市・日鉄との2回目の四者協議を広島市で開き、ゾーニング案について説明しました。
四者協議では防衛省の担当者が跡地のゾーニングの案を中間報告として説明しました。

それによりますと、日鉄呉地区跡地のうち赤色のゾーンは、山を削って造成された箇所で地盤の安定性が見込まれることから、工場等の建設が想定される「装備品などの維持整備・民間誘致を含む製造基盤エリア」としています。
また、緑色のゾーンについては埋め立て地で、「民間誘致以外の装備品などの維持整備・製造基盤エリア、艦艇の配備、訓練場など部隊の活動基盤エリア」。
さらに、青色のゾーンは「岸壁などを活用した港湾機能エリア」としています。
そして、濃い青色のゾーンは自衛隊の「運動場エリア」で、災害時の防災拠点を想定し市民も活用できるようにしたいとしました。

担当者は、この案が現時点で示せる大まかなイメージで、ゾーニングを年内に完了できるめどは立っていないが調整が整えば今年度内を目標に示したいと述べました。
このあと、防衛省は呉市議会でもゾーニング案を説明しました。質疑応答では、議員から「米軍の使用も将来的にあるのか」といった質問が出されました。

防衛省地方協力局 村井勝 総務課長
「あくまでここは自衛隊の施設として必要だということで整備をさせてもらうと。米軍のために整備をするものではないというところは申し上げられるかと思う」
また、時期的に「いつ完成するのか」といった質問も出されましたが、防衛省側は完成時期のめどは示しづらいとした上で次のように述べました。
防衛省地方協力局 村井勝 総務課長
「ひとつあえて指摘すると今、日鉄が上物の撤去を行っていると。上物の撤去が終わらないと我々の建物も建てられないという関係にあるので、その進捗にも左右されるかなと」
一方、四者協議での意見交換の内容については、9日の夕方に関係者と調整し公表すると話しました。

呉市 新原芳明 市長
「これまでも申し上げているが、非常に重要な選択肢だと思っているし、全て何か全部、決まっているわけでなく、手順が進んでいるところなので、手順の進展に応じて、呉市としても広島県としても判断していくということだと思う」