おととし、広島市の保育園で園児が行方不明になり、その後、亡くなった事故で、男の子の両親が18日、会見を開き、その胸の内を語りました。両親は、保育園を運営する広島市に対して損害賠償を求める訴えを起こしています。
この事故はおととし4月、広島市西区の市立保育園で5歳の男の子の行方が分からなくなり、その後、近くの川で見つかり、死亡が確認されたものです。
18日、両親は会見を開き、「同じような悲しみを二度と作ってほしくない」と、その想いを語りました。
▽ 記者との一問一答
母(42)「2歳から通っていたので安心して預けていた。突然いなくなって、たくさん探したが、最後には助けることができなかったので、とても悲しい」
父(33)「急にいなくなって悲しいですが、娘もいるので、とにかく返してほしいです」
Q. 市に訴えたいことは
母「やはり、息子がいなくなってから1時間後に通報だったので、あまりにも遅すぎる。警察に連絡するまでの時間が遅すぎた。マニュアル通りとは聞いたが、おかしいのではないかと家族で話をしている」
Q. 亡くなったあとの精神的負担について
母「妹がいるので、なるべく暗い表情は出さないようにしている。心の中でつらい思いをしているのだろうと。3人でがんばって生活をしている」
Q. 市検証委員会の再発防止策について
母「いまさらされてもという気持ち。いつも子どもが亡くなるニュースを見るたびに思うが、命がなくなってから改善するのではなく、そうなる前にするべき。保護者説明会で子ども未来局の担当者が『亡くなった命はもう戻ってこない、息子が教えてくれた』と言われた。その言葉がでてくる市はおかしい。悲しかった。教えるため、フェンスを変えるために息子は亡くなったのではない。基準を変えるために息子は亡くなったのではない、とても悔しい言葉だった」
Q. ご両親がいる場で?
母「はい、その後に何度か担当者と会ったが何度も同じ言葉がでてきたので『そういう言葉を言うのはやめてほしい』と言った」