広島市役所

事故をめぐっては、去年、有識者でつくる検証委員会が報告書をまとめ、男の子がどうやって園外にでたのかは特定できなかったとしながらも、園庭の生垣のすき間などから「園外に出ることができる環境にあった」ことなどを指摘していました。

検証委員会の報告書を受け、市は、去年から生垣だけで敷地を囲っていた10の園などに高さ150センチ程度のフェンスの設置を順次、行っているほか、すべての市立保育園の門に防犯カメラの取りつけが完了したということです。広島市は、園児すり抜け防止策は引き続き検討するとしています。

男の子の両親は、保育園が行動を把握すべき注意義務を怠ったほか、園児だけで園外に出ることができる場所が複数あったにも関わらず施設の修繕を怠ったとして、園を運営・管理する市にあわせておよそ8800万円の損害賠償を求めています。

代理人の弁護士によりますと、両親はこれまで広島市と事前に交渉をしましたが、市が支払いを拒否したため提訴したということです。

広島市は今月、提訴を受けて「棄却を求める」という内容の答弁書を提出していて、取材に対して「裁判中のためコメントは差し控える」としています。