大規模買収事件をめぐる被買収側の裁判で、広島高裁は12日、控訴していた広島市議の 三宅正明 被告の訴えを退けました。

広島市議の三宅正明被告(51)は、2019年の参議院選挙を巡り、河井案里 氏を当選させる目的と知りながら、夫の 河井克行 元法務大臣から現金合わせて50万円を受け取ったとして、一審の広島地裁で罰金30万円と追徴金50万円の有罪判決を言い渡されました。

三宅被告は、判決を不服として控訴していて、これまでの裁判で無罪を主張していました。

12日の判決で広島高裁の 森浩史 裁判長は、「被告の選挙で金銭を交付したことがなかった克行氏が、案里氏が立候補を表明してから10日あまりの時期に30万円の現金を交付した」などと指摘。「現金交付の趣旨に案里氏の選挙運動に対する報酬が含まれていたことは明らか」などとして、控訴を棄却しました。

裁判後の会見で、三宅被告は「大変厳しい判決だなというのが一番最初に思ったことです。様々な資料や事実などを伝えたが、裁判所はそれらを審議しないという判断だったので大変残念」とコメントしました。上告については、これから検討するということです。