新幹線パーサーは、2年前から車内販売以外に車掌業務の一部も担うようになりました。乗り継ぎ案内や座席の変更、急病人への対応や乗り降りが不自由な人の介助、そして事故や故障などの緊急時の対応もします。

JR西日本 博多総合車両所・広島支所 渡邉徹 支所長
「異常が発生したとき状況を知るのが大事一番。出くわすのはパーサーもその1人。速やかに車掌や運転手に知らせて情報提供いただくのが一番大事だと思います」

架線が切れたことによって停電し、新幹線が動かなくなった事態を想定した訓練です。故障列車に救助列車を近づけ、渡したはしごから乗客を避難させます。「700系のぞみ」16両の座席は1323席。国内で最も大きな旅客機の2倍以上の乗客を乗せています。

一方、16両編成の新幹線で乗務員は、運転手と車掌2人、そしてパーサーの合わせて4人。緊急時の乗客の避難は乗務員同士の連携が欠かせません。

パーサー 向井未来 さん
「飛行機事故のニュースを見たとき、大人数を避難させられるのか?と不安になりましたが、乗務員がお客さまからしたら一番の頼り手だと思う。しっかりこれからも勉強しようと思いました」

向井さんは、これまでも避難誘導の研修をしていましたが、実際の車両を使った訓練は初めて。ひとりで避難ばしごを下ろすのは、考えていた以上に難しかったようです。

パーサー 向井未来 さん
「重くて難しかったです。お客さまが降りやすいようにゆるやかなはしごを作れるように工夫したいと思いました」

― もし、本番があったらできますか?
「できます!」

乗客
「お姉さん、本当にすてきです。旅がいいものになった。優しくされたので好きになりました」

パーサー 向井未来 さん
「販売するときは親しみやすく、何かあったときにはすぐ声がかけやすいようなパーサーになりたいと思います」

山陽新幹線の車内販売はあす(3月16日)から『のぞみ・ひかり』のグリーン車のみとなります。

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コメンテーター 木村雅俊 さん(中国新聞社 編集委員室 特別委員)
「仕事があんなにたくさんあるとは知らなかったですね。出張で東京方面から最終の新幹線に乗って、お弁当買えなかったときに、お弁当買って、ビール買って、対応よかったら大人買いでアイスクリームまで買っちゃいます。これが自分に対するごほうびで、そのとき、新幹線パーサーに笑顔で接してもらえるので、疲れもとれます。いい思い出ばかりです」

青山高治 キャスター
「向井さんは『よりお金を払ってでも、グリーン車に乗りたいと思ってもらえように、接客スキルの質を高めていきたい』と話はされていました。そして『新幹線の中で働くのってかっこいいって思った』って言葉は、とても印象に残りましたね。

中根夕希 キャスター
「最近、地震が多いので、そういう緊急時の対応もされる、1人のその重責・役割の大きさも感じました。」

青山高治 キャスター
「実際、向井さんは去年の夏に乗務中に新幹線の停電を経験されたそうですね。トンネルの中がこう真っ暗になって、空調も使えなくなったんですが、そういう時に乗客のみなさんの前でより明るく対応されたということで、きっと明るさとか落ち着きとかも与えてくれる、そんな存在なんだなと思いました」