知人女性を路上に放置し車にひかせて殺害したとして男が逮捕された事件で、警察は14日に男の身柄を那覇地検に送りました。路上にいた女性をひき死亡させてしまったタクシーの運転手。事件に巻き込まれてしまった今の胸の内を語りました。

殺人の疑いで送検されたのは、宜野湾市大謝名の建設作業員の男(30)です。

男は先月27日、宜野湾市の国道58号に自力で歩けなくなっていた女性(58)を置き去りにし、車にひかせて殺害したとして2月12日に逮捕されました。

警察は捜査に支障があるとして、殺人の容疑に対する認否を明らかにしていませんが、捜査関係者によりますと、調べに対し男は、女性を国道に寝かせ放置したことについては認めているということです。

女性をひいたタクシー運転手
「いや、これは人間としてゼロでしょ、絶対許すことはできない」

男が放置した女性をひいてしまったタクシーの運転手がRBCの取材に応じ、当時の状況を語りました。

女性をひいたタクシー運転手
「10メートル、8から5メートルくらいかな。そこにきてようやく人と分かって右に切ったが、もう間に合わなくてひいてしまった」

事件が発生したのは午前2時頃。運転手の男性によると現場は暗く女性が寝ていることに直前でしか気づくことができなかったということです。

およそ40年、大きな事故なくタクシーの運転手を務めてきた男性は事件について自身の責任を感じたうえで憤りをあらわにします。

女性をひいたタクシー運転手
「あっちがどうあれ、ひいてしまった事に関しては罰は受けるつもりです。僕たちは免許で食べて免許で生活している人間だから、ひいたのが運が悪いというか、やってしまったことは仕方がないが、それを利用して殺人というのは絶対に許すことはできない」

思いがけず事件に巻き込まれてしまった男性。今後についての不安も口にします。

女性をひいたタクシー運転手
「今さら他の仕事は考えられない。どういう罰が来るのか警察も『人を死なせてしまったら(免許)停止ではなく免許取り消しが来るかもしれない』と言われていて、それに関しては罰は受けるがやはり納得いかない」

警察は交友関係などをめぐり2人の間に何らかのトラブルがあったとみて、事件の経緯を詳しく調べています。