普天間基地の辺野古移設工事をめぐる代執行訴訟。
玉城知事を支える市民たちが5日に県民集会を開き、「国の代執行を許さない」などと訴えました。主催者が集会に感じる変化とその意義を取材しました。

オール沖縄会議・福元勇司事務局長
「私が作業やりながら毎日つけているノートで、26冊目」

福元勇司さん。辺野古移設に反対する「オール沖縄会議」の事務局長です。主催する県民集会を4日後に控え、準備に追われていました。

オール沖縄会議・福元勇司事務局長
「使うものをここに置いてチェックしながら作業する」

先月30日、代執行訴訟の前に開かれた集会。福元さんは、玉城知事の背中を押すことができたと手応えを得た一方で、ある変化を感じていました。

オール沖縄会議・福元勇司事務局長
「以前のような勢いで足を運ばれる方は少し減っているかとは思います」

2015年、辺野古移設工事をめぐる国と県の最初の代執行訴訟では、事前集会におよそ2000人が集まりました。しかし今回は、およそ300人。傍聴券の倍率も半分以下となりました。

2015年

オール沖縄会議・福元勇司事務局長
「裁判の結果だけ見ると県の言い分が通らないんじゃないかという、そういうムードが広がっていたんじゃないかって感じますね」

それでも、集会を開くことの意義を強調します。

オール沖縄会議・福元勇司事務局長
「国の不条理・圧力に屈することなくみんなで声をあげていきましょう。それが今まで先人たちから私たちが引き継いできたことでしょう。沖縄は全国の未来をやはり良くしていくもの、そう信じて頑張りましょうという共感を作りたいですね」

集会当日。集まった市民およそ1800人(主催者発表)。

オール沖縄共同代表・稲嶺進前名護市長
「政府はとうとう代執行という禁断の刃を抜いてしまいました。このような権力を横暴を許してはないびらん!県民ちむてぃち(心ひとつに)最後の最後まで知事を支えるという強い気持ちを持って、ちばてぃいかやーさい!ぐすーよー!(頑張っていきましょう、皆さん)」

玉城知事も登壇。

玉城知事
「(代執行訴訟では)皆さんの強い意志と、そして未来へ沖縄県民が間違った判断はしないんだと、そのことを示すための気持ちをしっかりと示させていただきました。わったーや絶対負きてーないびらんどー」

集まった市民たちは、より良い未来のためにひとつになって闘い続けることを確認したほか、「国の代執行を許さない」などとするアピール文を採択しました。

南城市から参加
「国の姿勢はやはり許されるものじゃないと思うので玉城知事を支持したい。それを一人でも多くいるっていうのを見えるようにしたいと思って(参加した)」

那覇市から参加
「みんな沖縄に押し付けて一言も沖縄(の意見に)聞く耳を持たないで。ずっと知事と闘っていきます。生きている間」

玉城知事
「今日改めて我々は負けないぞという気持ちを一つにしてくれたのではないかと思います。本当に胸が熱くなる思いです。裁判の結論がどうかということについては言及は避けますけれども、我々は我々が考えていること、思っていることを裁判で訴えたことをこの間にも伝えることは可能ではないかというように考えています」

オール沖縄共同代表・稲嶺進前名護市長
「もう少しはいっぱいになって欲しかったけれどもいつか必ず分かってくれる。そういう政治がやってくるのを私たちも諦めることなく伝え続けていきたいと思っています。そこに繋げるきょうの大会だったと思います。」

【記者MEMO】
▽この日は集会の模様をYouTubeで生配信するなど参加方法が多様になっている
▽福元事務局長は「実質的な審理がなされていない」など裁判の問題点を確認できるのも集会の意義のひとつだと話していた