本島最南端の集落、糸満市束里。農道のわきから手つかずの原生林を進むと、束辺名壕が現れます。



遺骨収集ボランティア 具志堅隆松さん
「ブルーシートをかぶせてあるのは現在ほかの遺骨収集団体が現在その壕をやってるんですよ」

遺骨収集ボランティア・具志堅隆松さんによると、この場所で数人分の遺骨が収集されたのは、ここ3年ほどの出来事。

具志堅隆松さん
「こどもとお年寄りの遺骨もあって壕の入口近くでは」

開発の行方が注目されている鉱山まではおよそ1.5キロのこの場所で、きのうも遺骨が見つかりました。

具志堅隆松さん
「これ自分が指差してるの。指の骨。指っていうか手の甲の骨。左手の親指の付け根部分。大人ですね」


次々に見つかった遺骨は30分ほどで10個あまり。しかし、ひと目で分かるものばかりではありません。記者には見分けがつかないものも。

具志堅隆松さん
「この琉球石灰岩と骨とは非常に似てるっていうかな、長いことこうやって晒されていると石と同じように苔で緑っぽくなっていく」

採掘に向け県と業者が和解した鉱山の面積は、およそ5,600平方メートルで、最初に開発に入るのは、このうちおよそ半分です。

玉城知事
「最初に工事に着手する区画はご遺骨の調査、収集を受けてすでに実施済みとなっている」

工事は遺骨調査済みの区域から始まると説明した玉城知事。遺骨調査を終えていない区域のほとんどは、戦後盛り土されている場所だとして、遺骨が混入する可能性は低いとしています。


もし遺骨が見つかったとしても、半径5mの工事を2週間止めて遺骨調査に入るといった対応が約束されるとして、鉱山から出る材料に遺骨は混入しないとの見解です。しかし、遺骨収集の現場を見る限り、一度遺骨を収集した場所からも、木の葉や石と見間違えてしまうような小さな骨片が見つかりました。

重機で作業を行う鉱山の採掘で、紛れ込む遺骨は見つけられるのでしょうか。

Qできる限り遺骨を見つけられるような担保をこれから求めていく?
玉城知事
「私たちの気持ちはもちろん一片でもご遺骨を収集したいと考えていますのでできるだけ応じて頂けるようなお願いはしていきたい」


開発へ向け合意したものの、遺骨調査、収集の詳細はこれからです。戦没者遺骨が土木建築の資材となってしまう懸念が払拭されるかは、鉱山業者の対応がカギを握ることになりました。

採掘工事は、業者の届出に瑕疵がなければ、8月末にも始まる見通しです。そもそもこの問題が注目を集める発端となったのは、名護市辺野古の埋め立てに本島南部の土砂を使用する政府の計画です。

具志堅隆松さん
「血の染み込んだ土地から埋め立ての土砂を取るということは、私は戦没者を冒涜することになると思います」

万が一にも、戦没者の遺骨が埋め立ての材料に使用されてはいけないとの具志堅さんの思いはこれからも変わりません。


具志堅隆松さん
「ここであきらめることはできませんまだまだ声をあげ続けます」



【記者MEMO】
政府は、糸満市など本島南部から辺野古へ、3200万立方メートルの埋め立て材を調達すると計画しています。遺骨収集ボランティアの具志堅さんは、遺骨収集の態勢が万全であればいいという問題なのか、あえて戦没者の遺骨が残るおそれがある場所から埋め立て材料を取る必要があるのかという、戦没者の尊厳の視点が抜け落ちていると指摘しています。今後もこの問題に対する遺族の声を集め、行政に届けるなど、訴えを続けていくということです。