5大会連続のパラリンピック出場をめざし来年のパリ大会を狙う東京パラリンピックの銅メダリスト、車いす陸上の上与那原寛和選手。ことし52歳のレジェンドが今までにない苦しい戦いに直面しています。
来週開幕するアジアパラ競技大会で浮上のきっかけを掴めるのか。レジェンドの現在地を取材しました。
競技の高速化 世界選手権でぶつかった壁
東京パラリンピック銅メダリスト 上与那原寛和さん
「アジア大会の目標はもう、自己記録更新です。それ一本に絞っているので。出場枠を落とすということは、それだけ追い込まれることなんだなと、そういったものも実感して」

これまでにない苦しい戦いに直面する、車いす陸上界のレジェンド上与那原寛和、52歳。2008年から4大会連続のパラリンピック出場を誇り、おととしの東京パラリンピックでは400と1500mで2つの銅メダルを獲得。
しかし5大会連続のパラリンピック出場を目指した7月の世界選手権で、壁にぶつかりました。

東京パラリンピック銅メダリスト 上与那原寛和さん
「いやあ、もう全然転がらなかったですし、ここからという時に速度が上がっていかない、それじゃあもうタイムも出るわけないよねっていう」
世界4位までに与えられるパラリンピックの出場枠にあと一歩届かず。世界選手権の400mは5位に終わりました。

その400mは、22歳の新星が世界記録を打ち立て高速化が進み、上与那原がより得意としていた1500mはパリ大会では、正式種目から除外されました。
東京パラリンピック銅メダリスト 上与那原寛和さん
「今回は無いというのは決まっていますので、その中で400mに合わせていくしかない。ある種目に専念していく」
Qそして自己ベストを狙う?
「そうですね、それが絶対条件なので」
残されたパリパラリンピックへの道は、自己記録を更新し、世界ランキングをあげること。現在5位と推定される400mのランキングを3位から4位まであげれば、来年6月まで行われる選手選考で、日本代表に選出される可能性が大きくなります。

銅メダルを獲得した東京以上のタイムが必要です。
鍛え上げた肉体とレーサーと呼ばれる特殊な車いすで勝負する車いす陸上。上与那原はこのレーサーを、東京大会とは違うものに改良していました。