普天間基地の辺野古移設をめぐって、沖縄防衛局は埋め立てに使用する土砂を、沖縄本島南部から調達する計画を立てています。
沖縄戦の激戦地ある南部からの採取は、戦没者の遺骨が混じる可能性があるなどと反発も起き、先月には県外に住む沖縄戦の戦没者遺族が来沖し、防衛局に抗議しました。
声を上げずにはいられなかった訴えに耳を傾けました。
祖父の帰りを待つ遺族 いまだ多くの遺骨が眠る本島南部

ことし慰霊の日、糸満市の摩文仁を訪れたのは、北海道出身で、現在は千葉に暮らす米本わか子さん。礎の前で必ず行う儀式がボレロを流すことです。
北海道の遺族 米本わか子さん
「祖父はラヴェルのボレロが好きでした。祖母とデートしていた時に聞かせてあげた曲」
米本さんの祖父・岡田芳廣さんは、北海道から獣医大尉として沖縄に派兵され、激戦地となった本島南部で戦死したとされています。

県内で見つかった遺骨はDNA鑑定によって遺族に帰す取り組みが進められていますが、これまでに身元が特定した遺骨は6柱のみ。南部にはいまだ、多くの遺骨が眠っています。
北海道の遺族 米本わか子さん
「あー、ありがとうございました。岡田芳廣!世の中に確かにいました。この人が」
米本さんも祖父の帰りを待ち続けている1人です。
北海道の遺族 米本わか子さん
「ちょっと繁忙期で。ほかの人に仕事を押し付けてきました」
そんな米本さんが先月、急きょ来沖。理由は“祖父の遺骨”の行方に抱いた危機感でした。