3年前、事故で妻と娘を失った松永拓也さん。その姿は昨日、那覇市にありました。
「たまに信じられない。2人がいなくなってしまったこと。僕にとっても大きな転換期かなと思っています。」

2019年4月、東京池袋の路上で当時87歳の男性が運転する車が暴走し、11人が死傷する事故が起きました。現場は見通しのいい直線道路で、車はおよそ150mに渡り暴走。巻き込まれた松永真菜さんと娘の莉子ちゃんが亡くなりました。

事故から3年が経ったいま、遺族は何を思うのでしょうか―。

事故で妻と子を亡くした 松永拓也さん
「交通事故は当事者、遺族も悲しむし苦しむし同時にそれだけではなく多くの周りの人たちの人生まで一変してしまうだから起きてはいけないこと。運が悪かったとか仕方がないで済む話ではない、防げる事故は防いでいきたいだからこそこういう風に多くの人に交通事故の現実を知ってもらうことが大事なのかな」

社会に衝撃を与えた事故の加害者と被害者を2年間にわたり追い続けた映画の上映会が19日に那覇市で開かれました。

亡くなった真菜さんは那覇市出身、さらに夫の拓也さんの母親も伊江島出身と、2人の縁を繋いだのは「沖縄」でした。県内に住む遺族や友人らにとって、この上映会はコロナ禍で開催できずにいた「お別れ会」としての意味合いもありました。



真菜さんの父 上原善教さん
「その重荷っていうのかな。まなたちの友達に早く報告してお別れ会でもそういうのでもしたいなという思いがあったもんですから。それが今回の大きな目的というかな。」

松永拓也さん
「僕自身もやっぱり現実とこうやって向き合うことは僕にとってもこの先、生きていくうえで大事なことなので。」

上映会は遺族や友人にとっての一つの「区切りになる」。拓也さんのそんな思いが込められています。

上原さん
「どうしてもばーっと思いだすんだよね。」
松永さん
「そうだね。」
松永さんの叔父 島袋繁雄さん
「本当にいい子でね。いま改めて映像を見たら本当に残念ですね。」

この事故の“遺族”は上原さんや松永さんだけでなく、生前の真菜さんと莉子ちゃんを知るすべての人なのです。

真菜さん知人 真栄城嘉高さん
「私たちは報道で知った。そのあとに知り合いなので連絡がきた。それでわかったという。正直信じられないという思いのほうが大きかったですけど。こうやってビデオ見てみると3年たったようで、つい最近のように感じて辛い部分もあったんですけど、真菜のお父さん上原さんも拓也も少しずつ進んでいるのを見ると自分たちもくよくよしてられない。やるべきことをまた探してこれ以上被害者がでない社会になるように自分たちもできることを探してやっていきたいですね。」

この事故や真菜さんと莉子ちゃんを失った遺族のことを知っていま、私たち一人ひとりには何ができるのでしょうか。

松永拓也さん
「一人ひとりができることを考えてくださることが広がっていって、交通安全が成り立っていくと僕は思うので、これが真菜と莉子の命が生き続けていくことだなって感じました」

あの日以来初めて事故の映像を見たという遺族もいるなか、会に参加した全員がそれぞれにできることを考える一日となりました。