玉城知事は、スイス・ジュネーブで現地時間の18日から開かれる国連の人権理事会に出席し、沖縄の基地問題の現状などについて声明を発表する予定です。
国際社会に何を訴えるのか、その狙いを考えます。

玉城知事
「私は9月17日、日曜日から23日土曜日にかけて国連人権理事会に出席するため、スイス・ジュネーブへと出張することと致しました」

先週、国連人権理事会に出席することを正式に表明した玉城知事。
今月18日からの滞在期間中、国際秩序や有害物質・廃棄物に関する会議などに出席し、演説するほか、講演会やサブイベントの開催国連関係者との面談などが予定されています。

知事が出席する国連人権理事会は、各国の人権問題を加盟国が審査する機関。
重要な事案とされた場合、専門家による調査や対応を促す「勧告」につながる可能性があります。

玉城知事
「国際社会に対しては、辺野古新基地建設問題や基地から派生する諸問題の解決の必要性のみならず、これらの問題が沖縄だけでなく、人権・民主主義という普遍的な問題であることについて県の考えを訴えていきたいと考えております」

国と県の対立が続く普天間基地の辺野古移設問題。移設工事をめぐる今月4日の最高裁判決では、県の敗訴が確定し、県は、工事計画を承認する義務を負っています。

承認するか否か、その判断について玉城知事は「検討中」としていますが、「移設阻止」を掲げてきた玉城知事にとっては、追い詰められた状況と言えます。

こうしたなか玉城知事は、国連での演説を通して「沖縄が抱える基地問題=人権問題」だと訴え、国際世論を喚起し、打開策を見出すきっかけにしたい考えです。

しかし、理事会のルールで知事に与えられる発言時間はわずか90秒。
短い発言時間で、いかに印象付けるかもひとつの鍵となりそうです。

2015年。当時の翁長知事は、都道府県知事として初めて国連・人権理事会で演説しました。

翁長知事(当時)
「沖縄の人々の自己決定権がないがしろにされている辺野古の状況を世界中から関心を持て見てください」

これに対し、日本政府の代表者は、「辺野古が唯一の解決策」とすぐさま反論しました。

あれから8年。玉城知事も様々な機会を通じて世論の喚起に努めてきましたが、沖縄の基地問題は、さらに厳しい状況に置かれています。
今回のジュネーブ訪問を通して、沖縄の基地問題は人権問題だという訴えを国際社会に広げ、現状を打開することはできるのでしょうか。