今回は石垣島での戦争体験と現在工事が進められている陸上自衛隊配備について考えます。沖縄戦当時、旧日本軍の疎開命令によってマラリアがまん延する山間部へ追いやられた八重山の人々。自身の戦争体験から自衛隊配備に抗議する女性を取材しました。

小学校の前で集まり、声を上げる女性たち。横断幕に書かれた言葉は「石垣島に軍事基地はいらない」

命と暮らしを守るオバーたちの会 山里節子さん(84)
「基地があるから攻撃のターゲットにされるということは歴史が物語っているしね。作ったなら撤去させるまで頑張りたいという思いです。」

そう話すのは、いのちと暮らしを守るオバーたちの会、会長の山里節子さん。オバーたちの会は毎週日曜日に市内各地で自衛隊配備に対する抗議活動を行っています。

石垣島で陸上自衛隊駐屯地の建設工事が始まったのは2019年3月。防衛省は南西地域の防衛力強化などを目的に、500~600人規模のミサイル部隊などを配備する計画です。

節子さんをはじめ、オバーたちの会には、戦争体験者もいます。

Qどんな戦争体験をされたんですか?
命と暮らしを守るオバーたちの会 上地節さん(96)
「爆弾。あちこちみんな引っ張られて苦労するだけしてきたから、だから戦争というのは、苦労は自分だけで充分。子供なんかに全然させたくない。」

命と暮らしを守るオバーたちの会 山里節子さん(84)
「戦争につながる何であれ、(戦争を)見せつけられたら理屈抜きに反対です。軍事基地の無い道はいくらでもあると思います。」

八重山諸島における沖縄戦の被害は、激しい地上戦が行われた本島のものとは異なります。
先島へのアメリカ軍上陸を予想した旧日本軍は、八重山諸島の住民に対して、マラリアがまん延していた山間部への強制避難を命じました。疎開先となった山奥には、今も生活の跡が生々しく残されています。

命と暮らしを守るオバーたちの会 山里節子さん(84)
「こういう風にして白水へ行くんですけど、白水への共同疎開の命令が下ったのは6月に入ってから」

疎開したおよそ3万1千人の住民は、半数以上がマラリアに感染し、3600人あまりが命を落としました。旧日本軍が避難を命じた理由のひとつは、住民が捕虜になって敵に情報が洩れるのを防ぐためだったともいわれています。

命と暮らしを守るオバーたちの会 山里節子さん(84)
「こういう小屋がいくつも並べられていて、ひとつの小屋にだいたい10世帯くらいがいて、1世帯に畳2枚くらいが割り当てられていた。母と私が同じ日に(マラリアに)罹患して、熱出るけど骨の髄から寒気がする。寒くて寒くてしょうがない。なぜか母の方は免疫力が無かったのか悪性化していって、そこで絶えてしまって。」

マラリアと食糧難に苦しむ過酷な生活。しかし住民が暮らす場所よりも安全な壕の中には、天皇の写真が安置されていたといいます。こうした体験が、国に対する強い不信感へつながり、節子さんは自衛隊配備への反対活動を続けてきました。

命と暮らしを守るオバーたちの会 山里節子さん(84)
白水はマラリアが充満している地帯だと知っていながら、住民は足手まといになるから押し込めみたいな。守らなければならない国民を扱う態度なのかという、その憤りは抑えられないですね。