本土復帰50年。沖縄のこれまでとこれからを見つめるシリーズ「HOPE50」。
今回は沖縄音楽の母とよばれる作曲家故・金井喜久子(かない・きくこ)さんの人生をひも解きます。沖縄の節目のとき会場には彼女の音楽が響いていましたー

50年前、東京で開催された沖縄の本土復帰式典。
式典の序曲として沖縄出身の音楽家が作曲した曲が流れていました。

♪沖縄復帰祝典序曲「飛翔(はばたき)

作曲したのは、宮古島出身の故・金井喜久子(1906~1986年)。
「輝かしい未来が沖縄にありますように」と祈り、作られた曲です。

1906年に生まれ、日本人女性として初めて交響曲を作曲した金井。
わらべ歌「じんじん」では1971年に日本レコード大賞童謡賞を受賞するなど、多くの功績を残しています。
♪バレエ音楽「龍神祭り」序曲<作曲:金井喜久子>

しかし1986年に死去した金井のことは活動拠点が東京だったこともあり、
沖縄ではあまり知られていません。
沖縄への思いを、どう音楽に重ねていったのか…
ピアニストの高良仁美さんはレコード会社の提案によって2006年と2009年に金井の楽曲をCD化しています。

ピアニスト 高良仁美さん
「パイオニア的な方だったと思う。沖縄のメロディを西洋音楽にのせて.とても独創的だし、ダイナミックなんですよね」
直接会うことは叶いませんでしたがレコード会社から手渡された金井手書きの楽譜には、様々な気づきがあったと言います。

ピアニスト 高良仁美さん
「字が強いですよね。多分書き出したら、ガアって一気に書き上げちゃうようなタイプだと思うんですね。パワフルなエネルギーが手書きの楽譜から感じられて。これをまずプロデューサーの前で弾いたときに『え、高良さんリズムが(違う)』って言われて、これは沖縄の民謡でこういうリズムなんですけどって、言ったら『そうなんですか』って。本当に沖縄民謡がたくさん出てくるんですけど、そのリズムが五線上の絵には描き切れていないニュアンスがたくさんあるんですよ」

沖縄音楽の素晴らしさを、多くの人に知ってほしいと金井が書ききった楽曲。