神様が与えてくれたチャンス
転機が訪れたのは1995年5月22日、7回目の出産のことでした。オキちゃんが赤ちゃんを押さえ込もうとした瞬間、同居していた雄のダンとポイが発情を激化させ、オキちゃんと赤ちゃんの間に割り込みました。その偶然の隙に、赤ちゃんが水面で一度だけ呼吸をしました。
たった1回の呼吸でしたが、頭の良いオキちゃんは、赤ちゃんが呼吸することの大切さに気づいたように見えました。しかしその後もしばらくは、呼吸させては押さえこむ行動が繰り返されました。残念ながらこの赤ちゃんは4日後に亡くなりましたが、「呼吸をさせる」経験がオキちゃんの中に刻まれました。
そして1999年4月14日、10回目の出産。分娩約1時間という安産で、サミちゃんが生まれました。
オキちゃんが赤ちゃんを押さえ込もうとする回数は明らかに少なくなっていて、翌日にはその行動が完全に見られなくなっていました。
「呼吸しようとすると、オキちゃんがフォローしているんですね。もう完全な立派なお母さんに変わったと。うれしかったですよ」











