今年はあらゆるモノの値段があがり、家計への負担が増した1年でした。一方で、県外から沖縄を訪れる観光客はコロナ禍前の水準まで回復するなど、徐々に賑わいも戻ってきています。商店街をみつめながら今年1年を振り返るとともに、来年の見通しを専門家に聞きました。

沖縄電力 本永浩之社長
「県民の皆様に対して多大なご負担をおかけするというのは本当に心苦しい限りであります」
先月、沖縄電力は燃料費の高騰による経営の圧迫から、来年4月以降の電気料金の値上げを経済産業省に申請したと発表。国が負担軽減策を実施しても、およそ19%の家計負担増は避けられない見通しです。

Q今年どうでした
松原屋製菓 眞喜志のり子さん
「今年は後半から景気はいいです。だけど材料の高騰で材料が倍近く値段が変わっているので、値上げがどこまでいくかわからない」
原材料価格の高騰や、円安の影響もあり今年は様々なモノの値段があがりました。こちらの総菜店では、去年、今年と弁当の値上げに踏み切りました。しかし、なんとか守っているものも…
惣菜店の店主
「ネーミング自体がソウルフードみたいなもんですから、100円そばっていう値段だけはできるだけ維持したいと思っています」
無料のトッピングを減らすなど、店主の思いでなんとか踏みとどまっています。

また県民になじみ深いオリオンビールも10月から値上げ。価格改定は酒税の改正を除いて瓶や樽製品で4年ぶり、缶製品では14年ぶりのことでした。
Q来年はこの価格でやれそう?
製菓店スタッフ
「年明けの油の高騰でどうなるかわからないので、その時にならないと…わからないですね」
コロナ禍で大きく落ち込んだ沖縄観光。しかし国内客は、7月以降コロナ禍前の8割を超える水準にまで回復。特に10月以降は全国旅行支援もあり、コロナ禍前を上回る水準にまで回復し、11月、12月も同様に回復を見込んでいます。

海外からの観光客も8月の韓国からの添乗員付きのパッケージツアーを皮切りに、徐々に沖縄へ。10月下旬以降、海外路線も順次再開され、需要が回復してきています。
秋晴れが広がった10月には、実に3年ぶりに那覇大綱挽が開催。開始前に大綱が外れるというアクシデントに見舞われましたが、旗頭の威勢の良い掛け声が久しぶりに響き渡りました。
12月にはこちらも3年ぶりのNAHAマラソンが開催され、およそ8000人が完走。南部路に秋の風物詩が戻ってきました。

Q今年はどんな1年でしたか
たてつ商店 立津祐子さん
「3年間催しものも全然なくて、大変な世の中になっていたけど、今年はウチナーンチュ大会があって、そのあとから、ちょっと自分たちの仕事も良くなっています」
りゅうぎん総研 武田智夫常務取締役
「観光が非常に好調だった。外に出る機会がかなり増えましたので、個人消費も好調だった。景気全体としては、持ち直しの動きが強まった1年だったと考えております」
気になるのは来年の景気は-

りゅうぎん総研 武田智夫常務取締役
「(経済について)ゆるやかな回復という風にみています。観光を中心に個人消費も伸びると見ていますので、これが一番の要因ですね。あとエネルギー価格もまだまだ上昇圧力はあるのだが、原油価格自体が下がってきている。為替の円安も一時期よりは戻しているので、こういったマイナス要因というのは、全体の回復の足を引っ張るほどまではいかないのではないかなと思う」
物価の高騰などで頭を悩ますことも多かったこの1年、今後もしばらくは続きそうですが、それ以上に観光の回復なども期待でき、来年は今年以上にコロナ禍前の沖縄の姿が近づくかもしれません。