龍をかたどった舟を漕いで速さを競う「ドラゴンボート」。勇ましく櫂を漕いでいるのは、豊見城市を拠点に活動する「オキナワ老龍」のメンバーです。

去年9月、滋賀県の琵琶湖で行われた日本選手権でシニアの部250メートル決勝に出場した「オキナワ老龍」。序盤、最後尾からごぼう抜きで一気にトップへと踊り出ました。

沖縄のチームとして初優勝を果たしたオキナワ老龍。今月16日から20日まで、ドイツのブランデンブルクで行われる世界選手権のシニア部門に日本代表として出場することになりました。

大会は34の国から約4500人の選手が参加することになっています。

古代中国で生まれ沖縄のハーリーと同じルーツを持つといわれるドラゴンボート。オキナワ老龍のメンバーもそれぞれが各地のハーリーチームなどに所属しています。

オキナワ老龍の練習は週に4回。大会の2週間に迫ったこの日も、トレーニングに励みます。チームを率いるのは若狭和也さん(52)。カナダに留学していたころにドラゴンボート競技に出会い、30年以上のキャリアがあります。

▼若狭和也さん
「レース当日に乗艇してすぐレースが始まるので、しっかり心拍を上げてからレースに臨まないと途中で息が切れてしまうので、今のうちにしっかり上げてレースに臨む感じです。我々の合言葉で『ワンチーム』というのがあるんですけども、それとは別に明るく楽しく元気よく漕ぐというのがモットー。気持ちで負けないようにメダル目指して頑張ります」

波穏やかな水路で行われる練習。9メートルのボートに漕ぎ手の10人と太鼓、舵取りを合わせて、12人が乗り込みます。大会では2000メートル、500メートル、200メートルの3種目で戦うことになっていますが、この日は長距離の2000メートルの練習です。

▼若狭和也さん
「全員の気持ちが合わないと舟って進まないんですよ。勝つためには合わせる事が一番重要かなと思います」

メンバー最年長は大田守秀さん(57)です。
大田守秀さん
「漕ぎ手で一番年上なので年齢でも負けないように肉体的にも負けないように頑張りたいですね」

普段は基地従業員として働いている大田さん。若いころから体を鍛える為に始めた筋トレですが、パドル競技にも生きていると話します。

大田守秀さん
「月曜日から順番に胸、背中、肩、腕、足で1週間に5回で全身をしっかりトレーニングする感じですね」

パドル競技を始めたきっかけは2005年に基地内にあるジムトレーニングの仲間達と一緒に那覇ハーリーに出場し、優勝したことでした。

大田守秀さん
「仲間で集まって一つの大会に向けて努力してチャレンジしていく姿勢が自分に会っているなって。普通の野球とか団体競技と違って10人漕ぎ手全員が、タイミングを狂わずに差して抜いてというシンクロさせる競技なので、そこが他のスポーツと違う楽しさ。それもやりがいの一つですね」

日本初のメダル獲得を目指して、若狭代表の意気込みは…。

▼若狭和也さん
「沖縄代表として世界選手権に沖縄代表として出場する事をすごく誇りに思っています。ここまで来られたのは本当に今まで協力してくださった方のおかげだと思っていますので、一漕ぎ一漕ぎその人達の気持ちを込めて漕ぎたいと思います」

オキナワから世界へ、龍の舟に乗って新たなステージへの挑戦です。