9月5日から沖縄で先行公開される映画「風のマジム」。
南大東島のサトウキビで特別なラム酒を作ろうと思いたち、いち社員から起業した女性の実話に基づく物語です。
主演の伊藤沙莉さんと、芳賀薫監督に、映画の見どころや撮影の裏話を聞きました。

――どのような思いで撮影に臨みましたか?
▼伊藤沙莉さん
「道を切り開いていく女性の役は何回かやらせていただいたこともあって、だけど今回すごく違ったのが、何か特別なすごい能力や才能、もちろん、まじむなりの才能はあるんですけど、そういうことよりも普遍的なところから『好き』を生かして、自分の夢や進むべき道を見つけて、そこを追求していくところは、自分が今までやらせていただいた女性像とは何か視点や角度が全然違った切り開き方だったので、そこをすごく大切にしたいなと思っています。純粋な気持ちが(まじむの)家族や会社の同僚、南大東島の人たちに伝わっていくなかで、いろんな支えがあって乗り越えていくサクセスストーリーなので、そういう一つひとつの人との関わりからくる温かさみたいなものを感じていただけたらいいなって思っています」
▼芳賀薫 監督
「僕も(伊藤さんの話と)結構重なるんですけど、すごい才能があるとか、すごい努力している人が成功しますっていう作品は結構多いと思うんですけど、絶対見た後にそんなに生かせないっていうか、すごい人いるんだなで終わっちゃうと思うんですよね。でもこの話は『好きなことがある』 っていうところから『これ自分でやってみたい』となって、その姿を見て周りの人も応援してくれるので何とか成功していくというか、自分の道を切り開いていく話なので、見た人も『自分も何かやってみたいことに手を出したら未来が開けるかも』って思ってもらえたらいいなと」
――沖縄での撮影はどうでしたか?
▼伊藤沙莉さん
「やっぱりご褒美で来るっていう、仕事だとしても沖縄ってなると、普通よりテンションは高めでした(笑)」

――映像はどのような点にこだわりましたか?
▼芳賀薫 監督
「例えば伊波家の家も結構こだわっていて、コーディネーターの皆さんに時間をかけて交渉していただいて、そこを使わせていただいたんですけど、やっぱりその場所があるから演じている皆さんも、暮らしというか空気が出ていて、そういうのも含めてとても沖縄らしい映像になったんじゃないかなって思います」

――役作りについてはいかがでしたか?
▼伊藤沙莉さん
「家族といるときが、まじむらしさが一番出ると思っていて、リハーサルの段階でおばぁとお母さんと3人で言葉を交わしているうちに、全く気を使わない、早めに『伊藤沙莉』がなくなる空気をみんなが作ってくれて、いろいろ話し合いながらみんなで作ったみたいな感じはありましたね」
――最後に改めて、映画の見どころを教えてください。
▼伊藤沙莉さん
「沖縄の家族、沖縄で育った女の子の話をせっかくやるので、沖縄の空気に包み込まれたなかでの作品になったのもすごく良かったなって思いますし、もちろん映像も素敵なのでそこも楽しんでいただきつつ、まじむの奮闘や家族の支え、友達の支えとか、いろんな人との関わりを感じていただけたら嬉しいなと思います」
▼芳賀薫 監督
「沖縄の景色が手伝ってくれてとってもいい映像になっていると思います。そこで起きるとても温かい話になっていると思うので、それをぜひ見ていただいて、なんとなくみんなでお酒を飲んでいただいて、楽しくいろいろ語ってもらえたら嬉しいなと思います」
映画「風のマジム」は9月5日から沖縄で先行公開され、9月12日から全国公開されます。