沖縄戦の戦禍を免れた琉球国王尚家の伝来品や紅型、漆器などの美術工芸を展示してきた那覇市歴史博物館が、8月末に閉館することが決まりました。

那覇市歴史博物館は、2006年に那覇市のパレットくもじに開館し、沖縄から戦後初めて国宝に指定された琉球国王の王冠や王朝時代の貴重な工芸品を展示。年間およそ2万人が訪れるなど、市民や観光客に親しまれてきました。
しかし、県が首里の中城御殿跡地に整備を進めている首里城関連の文化財を収蔵・展示する施設について、市が管理・運営を担うこととなったため、来月末で那覇市歴史博物館を閉館し新施設の準備に取り組むことを決めました。

那覇市の知念市長は「貴重な文化財の保存・活用に努めていく。新しい施設の開館を楽しみに待ってほしい」とよびかけました。
新施設の完成は来年11月以降で、これまで市が管理してきた近現代の文化財や資料については管理を続けますが、収蔵先については調整中だということです。

今月4日からは最後の特別展として国の重要文化財に指定される予定の「琉球家譜」や関係文書を公開することにしています。
なお年間パスポートについては、料金の返還対応をするということです。