27日行われた衆議院選挙は、米軍普天間基地の辺野古移設に反対するオール沖縄勢力と自公勢力が2議席を分け合う結果となり、当選者は前回と同じ顔ぶれとなりました。

▽赤嶺政賢さん事務所 「ばんざーい!」

沖縄1区では共産党の赤嶺政賢さんが4回連続で小選挙区を制しました。

▽赤嶺政賢さん
「オール沖縄の団結は揺るがないぞという、皆さんの気持ちが一番の勝因だと思う」「新たな基地は作らせない。普天間は即時返還・撤去という闘いを県民とともにやっていきたい」

▽共産党・鶴渕賢次委員長代理
「オール沖縄の連帯、ほぼ10年経ちましたけど、オール沖縄の真価がこれほど発揮された選挙はなかったんじゃないかと思います。

自民党の国場さん、無所属の下地さんは及びませんでした。

ー(記者)辺野古移設反対を掲げた赤嶺さんに当確が出たが?

▽国場幸之助さん
「それはやはり有権者の判断ですから。しっかりと受け止めて、私の方で分析したいと思います」

▽下地幹郎さん
「今回の選挙も、良い選挙をやらせていただいたなと。私からすると格好いい選挙をやったなと思っております。それではみなさん、さようなら。もうこんな記者会見もやることはない」

沖縄2区は、社民党の新垣邦男さんが次点の自民・宮﨑さんに1万4000票余りの差をつけて、当選を決めました。

▽新垣邦男さん
「この2区は普段から、基地から飛来する爆音・騒音の問題。そしてPFOSの問題もあります」「県民の声を国政に届けてもらいたい、そういう期待をしていると思う」

▽宮崎政久さん
「敗因を分析するほどの余裕が、今の私にはございません。やはり私が力不足であったから、こういう結果であったと受け止めています」

名護市辺野古を抱える沖縄3区は、自民党の島尻安伊子さんが、次点の立憲・屋良さんにおよそ1700票差の接戦を制し、連続当選を果たしました。

▽島尻安伊子さん
「子どもの貧困対策。これも3年前に国政に戻してもらって」「もっとバージョンアップしていかなければならないところも見えてきましたので、ここに光を当てていくことをこれから4年間頑張っていきたいと思います」

▽屋良朝博さん
「訴えた政策が(相手候補と)違っていたので、そこは県民の選択だと真摯に受け止めたいと思います」

沖縄4区は自民党の西銘恒三郎さんが7期目となる当選を果たしました。

▽西銘恒三郎さん
「賃上げ好循環社会、物価高を上回る県民所得の向上も強く訴えて参りましたので」「国会に戻りましたら全力で取組んでまいりたいと思っております」

▽自民党県連・島袋大会長
「水曜日辺りから2000万円問題(非公認候補の支部への2000万円支給)がきて、非常に逆風を改めて感じている所だったので、結果が出たということはホッとしています」

▽金城徹さん
「スタッフや支援者のみなさんには本当に頭が下がる思いです。私自身の力が足りなかったことでございます」

オール沖縄勢力が前回の衆院選と同じ、2議席を取った結果に玉城知事は。

▽玉城知事
「今回はれいわ新選組という新しい枠組みが誕生したと。世代交代と、新しい流れがあるなかで、さりとて1区2区は従来の牙城を死守したという意味で、県民の複雑な感情のなかにあっても守るべきところは守るべきという投票行動がみられたのではないかと受け止めています」

なお1区の自民党・国場幸之助さん、2区の自民党・宮崎政久さん、3区の立憲民主党・屋良朝博さん、4区のれいわ新選組・山川仁さんが比例での復活当選を決めています。

県内の最終投票率は前回を4.94ポイント下回る49.96%で、衆院選としては過去最低の投票率でした。

(キャスター)
ここからは今井記者です。今回の選挙、自公候補とオール沖縄候補、2勝2敗となりましたが、ふり返っていかがでしょう。

(今井記者)
今回の選挙は候補者が乱立したのが特徴です。特に注目すべきは4区です。前回の衆院選では自民の西銘さんとオール沖縄の金城さんの一騎打ちでした。今回は、れいわ新選組の山川さんと日本維新の会の山川さんが、新たに出馬しました。前回れいわはオール沖縄勢力として金城さんを支持する立場でしたが、今回は候補者選考で折り合いがつかず、独自で候補者を立てるに至りました。今回の選挙、西銘さんと金城さんの差はおよそ1万4000票差ですが、れいわの山川さんがおよそ2万票ですので、もし共闘していたらオール沖縄が4区を奪還した可能性がありました。

一方で自公は経済政策を全面に押し出すことで、今年県議選、宜野湾市長選と勝利を重ねてきました。今回も経済政策中心に選挙戦を展開しましたが、裏金問題の影響を払拭するには至りませんでした。全国的には自公の議席が過半数を割ったことで今後の国政での動きがかなり流動的になりそうで、国政の枠組みの変化が県内政局にどういった影響を与えるのか、そして基地問題や安全保障の問題、沖縄振興などにどんな影響をもたらすのか。注目されます。(今井憲和)