9月11日に投開票される沖縄県知事選挙。選挙戦も終盤に差し掛かっていますが、今回は各候補者の人物像、それぞれの横顔を追いました。

自転車で選挙活動をするのは下地幹郎(しもじ みきお)さん。土砂降りの日でもペダルを漕ぎます。下地さんは衆院議員を6期務め、郵政民営化担当大臣などを歴任してきました。

下地幹郎さん
「宣伝カーに乗っても多くの人は気づかない。自転車はすべて気づいてくれる。それが大事なんですね」

文字通り体が資本の選挙戦。弁当にもこだわりがあります。

下地幹郎さん
「これなんて最高だね。ニンジンしりしり。これ12時に食べちゃいけない。午後3時ごろが一番いい。ご飯に染み入って。やめられないです」

食べごろは、ご飯が黄色くなったとき!
ずぶぬれになっても自転車にこだわる理由は、有権者へのアピールだけではありません。

Q政策ってどんな時に思いつく?
下地幹郎さん
「やっぱりこれ(自転車)だね。自転車こいでる時、1人でしょ。自分が言っていることは矛盾がないかなとか」
Qご自身の中で大事な時間?
「大事な時間」

自分自身と対話する大切な時間。ですが、あまりに没頭するあまり…

下地さんの応援スタッフ
「行っちゃった!またGPS(で捜索)だ」

取材中に、下地さんを見失ったのは2回。

下地さんの応援スタッフ
「この湾岸の方で、ジョギングや散歩している方と話し込んでいるそうです。来た来た!追いかけるのが大変なんだよ」

下地さんを見失う度に笑顔で合流するスタッフ。その人柄が垣間見えた気がしました。

下地さんの応援スタッフ
「(下地候補に)憑りつかれているとしたら、パッション(情熱)かな」
妻・志緒さん
「止めてもやる人なので、やりたい様にやって」

ブラッシュアップさせた政策を活かすために、きょうもペダルを漕ぎます。

佐喜眞さんの長女 妃華さん
「昔はお箸の持ち方とか。食べる時はテレビ見ないとか。礼儀とか小さなことに厳しかったです。(今となっては)お箸の持ち方はありがたかったと思います」

“しつけには厳しかったが今となってはありがたかった”と、二人の娘に感謝されるのは、佐喜眞淳(さきま あつし)さんです。

佐喜眞淳さん
「県民の命と暮らしを守るために、この沖縄の難局を前に進めていきたいと思います」

佐喜眞さんは宜野湾市出身で、宜野湾市議、県議会議員を経て、宜野湾市長を2期務めてきました。前回敗れた知事選挙に再び挑みます。

特技は空手で3段の有段者。空手の指導としてフランスに留学した経験もあり‥

佐喜眞さん
「je veux gagner」
Qどういう意味ですか?
「私は勝ちたい!」

フランス語もお手のもの。佐喜眞さんの街頭演説印象的なのは

「サキマ~サキマ~サキマ~サキマアツシ~」

この耳に残る応援歌ですが…

佐喜眞淳さん
「(歌の)評判は上々だと思います。ただ私毎日聞いていると、耳に残っているんですよ。サキマ―、サキマ―と。あんまり残るとどうなんだろう。ただ残るのはいいことですから!」

Qタコライスのソースはまんべんなくかけますね?
佐喜眞さん
「そうです。辛いの好きなので。これこそローカルソウルフード!」

政治家を志したのは、元宜野湾市議会議長だった父親がこの世を去った時でした。

佐喜眞淳さん
「出かける時は、元気だった親父が帰って来た時は無言で帰ってきた。志半ばの死に、一回はチャレンジしてみようかと」

志半ばでこの世を去った父親の思いを常に胸にしまって、再び知事選に挑みます。

立憲民主党 辻本清美参院議員
「いまデニー候補が、到着いたしました。知事真ん中。いや候補やな、挟まれんのを怖がってんの?」

本土から応援に駆け付けた、2人の女性国会議員との掛け合い。

玉城デニーさん
「どっちに寄りかかっても十分私を受け止めてくれるお2人ですが、両方にしっかりと頼らせて頂きたいと思います。宜しくお願い致します(笑)」

玉城デニー(たまき でにー)さんがアドリブで笑いを誘った一幕でした。

沖縄市議、衆院議員を経て前回の県知事選で初当選を果たした玉城さん。政治家になる前は…

玉城デニーさん(1995年のテレビ番組)
「ゴーヤーちゃんぷるーを召し上がりながらですね、このゴーヤーに栄養があるわけか!」

タレントとしてバラエティのパネラーや司会を務め、トークには当時から磨きがかかっていました。

選挙期間中は公務も重なり、昼食も十分に取れない日々だそうですが、時間を確保できたこの日は?

玉城デニーさん
「キレイなそばだ。見て、透き通った、ほら。きょうはそばの気分」

大好物の沖縄そば、麺は中太。

玉城デニーさん
「これマイ箸です」

専用のマイ箸で食べるのがルーティーン。6角形で握りやすいのがポイントです。

撮影中、RBC取材班の目に留まったのは―

玉城デニーさん
「沖縄そば中!」
「着替えのTシャツです」

撮影しやすいようにふるまう玉城さんの気配りでした。

この気配りは街頭演説中もケーブルを踏まない様に、手でずらしたり。知事会見の時は
手話通訳スタッフへの挨拶を欠かしません。

玉城デニーさん
「僕ね、とても楽天家なんですけど、案外細かいところまで気を使う、きーちかやー(気使いの人)なんですよ。だから癖になっていますよね」

さりげない気づかいを政治の世界でも。2期目の当選を目指します。