技能実習生や留学生など県内にはおよそ3000人のベトナム人が暮らしているといいます。慣れない環境の中で頑張る彼らの居場所を作りたいと今年6月「在沖縄県ベトナム人協会」が設立されました。
これまで県内に住むベトナム人を広く取りまとめる団体はなく、ベトナム人協会は九州で6つ目となります。
在沖ベトナム人協会の代表グエン・ティ・フォンさん。日本に来て10年目で、初めは戸惑うことも多かったといいます。
「来た時はね、サポートをするところがなかったんですね。その時ベトナム人も少なかったんですね。どうすれば外国で生活できるかなと、もちろん少し不安がありましたら、どうにか自分で少しずつでも勉強できるように頑張って、うまくいけるようになったんですけれども」
フォンさんは、那覇市にある日本語学校で学生たちをサポートする仕事をしていて、かつての自分と同じように慣れない土地で頑張るベトナム人たちをサポートするため相談に応じてきたといいます。
在沖縄ベトナム人協会 グエン・ティ・フォン代表
「パスポートなくなったとか何とかの証明書なくなったらどうすればいいか、困っていることは、細かい事の方が多いんですね、また自分で日本語で説明できない」
沖縄で生活するベトナム人の日常生活で起きる些細な問題にも対応していきたいと考えています。
やはり沖縄で戸惑いながら生活を行っていたというベトナム人も少なくありません。4年前に日本の文化に興味を持ち働くために勉強しに来た、ファン・ティ・ホン・ハインさんは、就職活動を控えた去年、事故に遭ってしまいコロナ禍の中で慣れない入院生活は心細かったと話します。
ファン・ティ・フォン・ハインさん
「2000人も(コロナに)かかっていましたよ。みんなお見舞いできなくて、ちょっと寂しいかなって思ってました。その時はちょっと、最初はつらかったかな一人で」
ハインさんは一度、ベトナムに戻ろうと思ったものの、帰るためのチケットを取ることすら、苦労したと話します。
ファン・ティ・フォン・ハインさん
「妊娠中の人とか困った方もいっぱいいますよ。その時、チケットも取りづらかった」
チケットの手配などフォンさんが間に入って対応してくれ、助かったと話すハインさん。この協会が、ベトナム人同士だけでない交流ができる場になってほしいと考えています。
ファン・ティ・フォン・ハインさん
「ベトナムの習慣と料理とか、ベトナムのこと、日本人に紹介するのところもあるからね、(紹介する場ができたら)うれしいことです」
技能実習生として、建設業に携わるグエン・スァン・ハウさん。日本に来て2年あまりです。
仕事をする上での会話はできるようになったというハウさん。しかし、研修先で聞いていた言葉との違いに戸惑ったこともあったといいます。

グエン・スァン・ハウさん
「日本に来た時に名古屋の方で1か月講習をした時に普通の日本語をしゃべってくれたんですが、やっぱり沖縄に来てから、話し方は違いますので、まあ少しずつ少しずつは慣れてくるしかないですね」
優しい職場の人に囲まれ、恵まれている環境と話すハウさん。職場だけでなく、県内に住むほかのベトナム人とのつながりができると嬉しいと話します。
グエン・スァン・ハウさん
「在沖縄ベトナム人協会ができたことによって、自分たちは沖縄に住むベトナム人たちと交流ができることによって相談ができて、先輩方に自分が困っていることを相談できる窓口になっているのを大きく感じます」
グエンさんと同じ職場で働く、島袋泰志さん。建築業界でも実習生は必要な人材だと話します。
ヨナハ工務店 島袋泰志主任技術者
「最初来た時よりはすごく頼りにしてますし、とにかくすごいです。覚えが早いです。だいぶ戦力になっています」
沖縄に来てすぐの時はゆっくり話し、わかりやすいよう、工夫したという島袋さん。一緒に働く仲間として彼らの将来のことを応援しています。
ヨナハ工務店島袋泰志主任技術者
「どんどん応援していきたいと思っています。まあとにかく幸せになってほしいですね。別にずっと大工続けてとは言わないので」
今では沖縄を「第二の故郷」と話すフォンさん。ベトナム人が頑張れる環境を整えるサポートをしていきたいと考えています。

在沖縄県ベトナム人協会 グエン・ティ・フォン代表
「これからもっともっとベトナム人も沖縄に来て、仕事も頑張ったりとか勉強も頑張ったりとかしてもらいたいと思います、(沖縄を)特に第二ふるさとと考えて、ベトナムに関わらず、沖縄も発展していきたいかなと思っています」
故郷を離れ、一生懸命生きる彼らをサポートする活動は、始まったばかりです。