左太ももの負傷で長期離脱を余儀なくされたセレッソ大阪の清武弘嗣(34)。手術やリハビリを経て去年11月、復帰を果たしました。選手生命にかかわるけがを経験しながらも、なぜピッチに立ち続けるのか――「本当に引退も考えた…」と明かす稀代のテクニシャンの思いに迫ります。
大分市出身の清武弘嗣。2008年にトリニータでプロデビューし、セレッソ大阪を経てドイツやスペインの名門クラブへ。日本代表では43試合に出場し、巧みなパスやキックでチャンスを生むゲームメーカーとして世界トップレベルで戦ってきました。2017年からはセレッソ大阪に復帰し、19年から5年連続でキャプテンを務めています。
清武弘嗣:
「怪我があってなかなかピッチに立つことができなかったので、そういう悔しい思いをかみしめながら帰ってきました」
昨シーズンは開幕前に左太ももを負傷し、およそ5か月離脱。7月の天皇杯で復帰し、いきなりアシストを決める活躍を見せましたが、その後再発。手術に踏み切りました。
清武弘嗣:
「今回はいろいろ考えました。家族や仲間、サポータのこともあり、本当に引退しようかなと思いました。でも自分の気持ちに素直になったときに『サッカーが好き』というのがあるので、もう一回その人たちに自分のプレーを見てもらいたいと。じゃないとさすがに辞めることはできないなと…。今回は本当にたくさんの人に支えられました」
「1年のリハビリってきついんですよ。たぶんもう無理やなって思ったんですけど、やっぱりサッカーしたいなあ…というのがいつも頭にあるんですよ。だからもうそれのために無心でやりましたねリハビリ、集中しました」
懸命なリハビリを終えた11月下旬。ホーム最終戦で後半25分から途中出場。1年ぶりにキャプテンマークを巻きました。

清武弘嗣:
「やっぱり嬉しかったですね。スタジアムの雰囲気もそうですし、本当にたくさんの人が待っていてくれたというのもすごく感じたし、サッカーってこんなに楽しいんだって改めて思いましたね」
復帰戦のピッチには、セレッソに13年ぶりに復帰し全試合に出場した香川真司も。日本代表でともに世界を沸かせた2人が久しぶりの共演を果たしました。
「真司くんは別格だなと思います。全試合に出てチームも引っ張ってくれたし、サッカーに対する情熱や準備など自分も見て学ぶことがありました。サッカーの感覚というか、イメージとかイマジネーションっていうのはやっぱり合う。ここにボールが欲しいとか、ポジショニングとか分かるんで、めちゃくちゃやりやすいですね」
選手生命にかかわるけがを経験し、さらに一皮むけた清武。シーズンに向けて気持ちも新たに活躍を誓います。
清武弘嗣:
「純粋にサッカーを楽しんでいる僕を見てほしいなと思いますし、あとは勝ちにこだわる、そういう情熱を持って試合に臨みたいんで、そういう気持ちも前面に出したいなと思う」
「今年の目標は『楽しんで優勝』です。ルヴァンカップも天皇杯もタイトルを取ったことあるんで、あと一つJ1優勝っていうのをやっぱり取りたい。真司くんとずっと話していることで、今年は本当に勝負にこだわろうという年にしたい。リーグ優勝というのを目指して頑張りたいと思います」
