大分県別府市の亀の井バスが1日から運賃を値上げしました。ただ、これによって同一区間にもかかわらずバス会社で運賃が異なる「二重運賃」が発生しています。

別府市内を中心に37の路線を運行する「亀の井バス」。1日から新しい運賃が適用されています。

例えば初乗り運賃は150円から170円にー。路線全体では平均で16パーセント程度の値上げとなります。背景にはバス業界を取り巻く深刻な課題があります。

(亀の井バス・筒井秀弥営業部長)「運転士不足に燃料代の高騰が大きな要因。乗客の移動手段を守るためにも運賃改定に踏み切らせてもらった」

しかし、今回の値上げでめずらしい現象が…。

(安部記者)「亀の井バスの値上げによって、大分交通と重なる区間では両者で料金が異なる『二重運賃』が発生しています」

亀の井バスは大分交通と主に別府市内の国道10号を通るルートで競合しています。初乗りだと亀の井バスの170円に対し、大分交通は値上げに踏み切っていないため150円のままです。また、JR別府駅東口から鉄輪まで行く場合はルートの違いはありますが、亀の井バスが400円大分交通が340円と60円の差が生まれています。

これにはバスの利用者も戸惑いの色を隠せません。

(利用者)「利用者としては困る。20円の差は大きい、頻繁に乗る人は」「今はこういう世の中だから仕方がない、耐えるしかない、お互いに」

(亀の井バス・筒井秀弥営業部長)「乗客には負担をかけるが理解して欲しい。今後は安全投資と運転士不足解消のための待遇改善に使っていきたい」

値上げという苦肉の策によって生まれた「二重運賃」。ただ、大分交通も今後、値上げする方向で検討しています。