大分市の県道でおととし、時速194キロの車が衝突し男性が死亡した事故について、遺族の姉が東京で開かれた犯罪被害者の会で心境を語りました。

(長文恵さん)「『憲ちゃんが亡くなったって事故らしいよ』と言われました。私の大切なたった一人の弟が亡くなりました」

苦しい胸の内を明かすのは交通事故で弟を亡くした長文恵さんです。おととし2月、大分市大在の県道で当時19歳の男が時速194キロで乗用車を走行し、対向車線から右折中の車に衝突し長さんの弟、小柳憲さん(当時50)が亡くなりました。

男は過失運転致死罪で起訴されました。しかしその後、全国から3万人近くの署名が集まり大分地検は去年12月、量刑の重い危険運転致死罪に起訴内容を変更しました。

(長文恵さん)「『(担当検事から)危険運転で起訴しても認められなかったら、無罪となり前例になる』と言われました。奇しくもこの日はむかえることのできなかった憲の誕生日でした」

25日、東京で開かれた犯罪被害者の声を社会に訴える会で長さんは講演しました。事故を知った時の悲しみや怒り、訴因変更までの経緯など辛い記憶を参加者に語りかけました。

(長文恵さん)「生命の尊厳を無視して被害者を守ることのないこの曲がった解釈をぜひただして頂きたいと願い、私は裁判を待っています」