聴覚障害のある人との出会いで心に変化が …
深川さん:
「イベントの目的としては、やっぱり街全体で盛り上がってる感じがあると嬉しいなと思いました。『新しいお祭りを作ろう』みたいな感じのテンションで最初始まりました」
イベントは“にぎわいづくり”が大きな目的ですが、もう1つ大きなテーマを掲げています。それは『耳の聞こえない聴覚障害でも楽しめるフェス』です。
深川さんは今年の5月ごろイベントを企画・立案。当初は一般的な音楽フェスを想定していました。しかし、8月に聴覚障害のある人と出会い、その人の音楽との関わり方を聞いて、心に変化が生まれたといいます。

深川さん:
「聴覚障害の人と話して、『ライブやフェスに遊びに行っているよ』と聞きました。僕が思っていた耳の聞こえない人たちに対するイメージが全然違う回答が返ってきて、歌詞を楽しんでいるとか、ライブのスピーカーから聞こえる重低音を楽しんでいるていう話を聞いたときに、僕らとそんなに変わらないなっていうのが最初の印象。そして『みんな一緒に楽しめたらいいよね』っていう純粋な興味みたいなところから始まった感じです」
音楽フェス採用は全国初「オンテナ」とは
イベントの成功に向け大きな課題となったのが、「音楽を聴覚以外でどのように感じてもらうか?」。試行錯誤をする中、イベントの鍵となるアイテムに巡りあいます。ろう学校で実際に使われている機械「オンテナ」です。大きさは約6~7センチと手のひらサイズで、髪の毛や耳たぶ、えり元、そで口などに身に付け、振動と光によって音の特徴を体で感じることができます。「オンテナ」を開発した富士通によりますと、音楽フェスで採用されるのは全国でも初めての試みです。
