「新しいおおいた旅割」の電子クーポンが大量に不正利用された問題で、県は別府市内にある宿泊施設の関係者らを刑事告発したことを明らかにしました。被害額は1000万円を超えています。宿泊施設側は不正を認めておらず、返還にも応じていないということです。

不正利用されたのは「新しいおおいた旅割」の利用者を対象に配られた電子クーポン「おおいた満喫クーポン」で、宿泊先などで渡されるチラシのQRコードをスマートフォンで読み取ると、1人あたり最大2000円分が付与される仕組みです。

県は27日会見を開き、別府市内にある2つの宿泊施設で今年1月から4月にかけ、関係者が旅割の事務局職員をだましてQRコードがついた大量のチラシを発注。旅行者を偽った別の4人があわせて約1130万円分のクーポンを不正に利用したことを明らかにしました。

今年4月に「特定のアカウントで100万円以上使われ不正している可能性がある」と事務局から報告があり、県が調査を進めた結果、別府市の宿泊施設と旅行者を偽った4人分のアカウントを特定しましたが、事務局をだました施設関係者の氏名などはわかっていないということです。県は詐欺と電子計算機使用詐欺の疑いが強まったとして27日付けで不正にかかわった関係者を刑事告発しました。

2つの施設は不正を認めておらず、返還にも応じていないということです。

また、大分市と由布市、竹田市にある4つの宿泊施設でも計約730万円分の不正利用があったことを明らかにしました。この4施設は事実関係を認め、今年8月末までに全額を事務局に返還しているということです。