大分市の50代の女性が自宅の固定電話にかかってきた介護保険の払い戻し名目で24万円の特殊詐欺被害にあいました。女性は日頃から特殊詐欺には気を付けていましたが、電話口でフルネームを言われたことで、すっかり話を信じたということです。

警察の調べによりますと、2月20日、大分市に住む50代の女性宅の固定電話に市役所の年金担当を名乗る男から電話がありました。そして、女性にフルネームで呼びかけて「介護保険の払い戻しがあります。11月に封筒が届いているはずです。返信は今日までですが、折り返しが無かったので連絡しました。銀行の口座はありますか」と言われました。

その後、後ほど金融機関から電話があると言われ、待っていると金融機関の職員を名乗る男から「介護保険の払い戻しはATMでもできるので、手続きをして下さい」と電話があり、携帯電話でやり取りをしながら、指示されるまま大分市内の商業施設のATMで、およそ24万円を相手の口座に振り込みました。

この時点で女性は詐欺の被害にあったことに気づいていませんでした。

女性が翌21日にたまたま通帳記入をしたところ、身に覚えのない24万円が出金され、その瞬間、20日にかかってきた電話で詐欺被害にあったことに気づいて、警察に相談しました。

事情聴取に女性は「普段から詐欺の手口などをニュースなどで見ていて、気を付けていたが、自分からは名乗らないのに、電話口でフルネームを言われたのですっかり信じた」と話しているということです。

詐欺事件として捜査している警察では、名前と住所や電話番号が記載されたいろんな名簿が流出していると見ていて、今回のようにフルネームで名前を呼ばれても決して信用しないことや、「お金の払い戻しをするのでATMに行ってください」といわれたら、それは詐欺なので、警察や知人、家族に必ず相談すること。

また、自宅の固定電話に電話がかかってきて被害にあうケースが多発しているので被害防止に有効な、相手に会話を録音することを告げる、「迷惑電話防止機能付き電話機」の購入や活用の検討を呼びかけています。