介護保険の払い戻しを名目にした詐欺事件が発生し、大分市の50代女性がATMから117万円を振り込み、だまし取られました。女性は警察に現金を振り込んでいるという認識は全くなかったと話しているということです。
警察によりますと、2月20日、午後1時20分頃、大分市に住む50代女性の家の固定電話に市役所の年金担当を名乗る男から「介護保険の払い戻しがあります。11月に封筒が届いているはずです。返信はきょうまでですが、折り返しが無いので連絡しました。銀行口座はありますか? 後ほど金融機関から電話があります」という連絡があり、電話が切られました。
40分ほどたった午後2時頃、金融機関を名乗る男から電話があり「介護保険の払い戻しはATMでできるので手続きをしてください」と言われ、話を信じた女性は男と携帯電話でやり取りをしながら、大分市内の金融機関のATMで指示されるまま、相手の口座に2回に分けて、99万円と18万円の合わせておよそ117万円を振り込みました。
すると男は女性に対して今度は「ご主人の通帳はありますか?」と聞き、この時、女性が不審に思い電話を切って、ATMを設置している金融機関に相談したところ「詐欺ではないですか」と指摘されたため、警察に届け出て被害にあったことが分かりました。
警察の事情聴取に対して、被害にあった女性はATMで手続きをしている時にお金を振り込んでいるという認識は全く持っていなかったと話しているということです。
警察が特殊詐欺事件として捜査していますが、公的機関の職員が電話で「保険料の払い戻しがある」などと言ってATMに案内することはなく、電話で「払い戻し」「ATMで手続き」と言われたら詐欺を疑い、すぐに家族や知人、警察に連絡するよう注意を呼びかけています。