被告は「壊れたレコーダー」

2025年8月、控訴審判決が出た際の心境について、山名さんは「良くも悪くもなく平常心だった」と話し、被告については「憎しみという感情はあまりない」と口にした。

廷内スケッチ:大分地裁(この記事の写真をみる)

「検察の方から『元々陽気なキャラだったらしいですよ』ということは聞いていたので、一審で彼を初めて見たときは全然違って。暗い感じの人で、ロボットのように、呪文のように同じことをしゃべり続ける人って感じでしたね」

「裁判中も一切変わらなかったですし、何千回も自分が思ってきた文章をそのまましゃべっている。壊れたレコーダーのような印象でした。『憎い』という部分はなくて、今は静かに裁判の行方を見守っているという感じです」

ただ、被告の主張に対しては愕然としたと明かす。

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「彼が無罪の可能性があるかもしれないという一点でしゃべっていたので、それはちょっと見ていてモヤモヤしました。彼が無罪を主張し続ける理由も分かりませんし、仮に本当に自分が無罪であれば、なぜ分かりやすい嘘をつき続けるのかも分からない」

裁判で被告の“プロレスマスクの男”という主張を聞いた際には、「子どもの言い訳を聞いているみたいでした。取ってつけたような嘘ですよね」と話し、憎しみを超えた“呆れ”をにじませた。