「おおいた動物愛護センター」で保護しているネコの数が今年の夏以降、収容オーバーとなっています。民間の保護施設も運営面の課題を抱えていて、解決への糸口が見えていません。
大分市にある「おおいた動物愛護センター」では県内各地で保護された犬やネコが飼育されていますが、今、ある問題が発生しています。
(おおいた動物愛護センター・河村正所長)「こちらにいる猫はすべて譲渡対象の猫になります。かなり(収容)オーバーしている」
センターで収容できるのは最大100匹に限られていますが、現在、預かっているのは143匹にのぼります。

一部のネコは保護犬のエリアまで及んでいました。収容オーバーは今年の8月以降、続いていて譲渡希望者が減っていることが大きな要因ですが、その背景は…
(河村所長)「コロナの巣ごもり需要で動物を飼いたいという気持ちを刺激した部分があった。(感染状況が)落ち着きを取り戻したため、ペット需要が伸び悩み、譲渡希望者が減った。本当にもう残念だが、処分につながざるをえない」
収容オーバ―が続けば殺処分につながるためセンターでは危機感を抱いています。このため10月に続き、11月23日にネコと触れ合えるイベントを開催して譲渡を促し、殺処分が増える事態を防ぎたい考えです。
(河村正 所長)「譲渡会自体を知らない人も多くいる。ネコと触れ合ってもらう中でネコに関心を持ってもらい、保護猫を1頭でも多く助けてもらいたい」
一方、ネコの保護施設を併設したこちらのカフェでは、現在13匹が飼育されています。月に2回開催している譲渡会が実を結び、去年7月のオープンからこれまでに30匹の命が救われました。
(カフェを運営・CFC・首藤和彦社長)「障害福祉事業を運営していて、ボランティアとして猫の保護活動をしていたが、増えるばかりで譲渡という出口支援をしないときりがない」
1匹あたりの月の飼育費用は平均3万円。福祉施設の障害者が作った雑貨販売などの利益をあてていますが、資金不足に陥っているといいます。それでも首藤さんは飼い主のいないネコを生み出さないことを目標に地道な活動を続けていきたいと語ります。
(首藤和彦社長)「理想はここにいるネコ、これから保護するネコが里親のもとに行くのが一番よろこばしくて私たちの最大の目的です」
県内では年々減少傾向にはあるものの、昨年度も524匹のネコが殺処分されています。地域での管理をはじめ安易な繁殖をさけるなどの対策の一方で、責任を持って飼える受け入れ先をどう広げていけるのかが大きな課題のままです。