10月から栃木で3年ぶりに開催されている国体に射撃で挑む大分県警初の女性機動隊員がいます。日本一、そして世界を目指す姿を追いました。

鋭いまなざしでエアピストルをかまえターゲットを狙う財津美加選手。10月から栃木県で開催されている国体の射撃に県代表として出場します。


(財津美加選手)「緊張とかするとやっぱり指が止まってしまって、なかなか玉が出なかったり、打つべきファーストチャンスで打てなかったりするので、引き金を意識して打つべきタイミングで打てるようにしています」


エアピストルは空気で鉛玉を飛ばす射撃競技で、10メートル先の直径155.5ミリの的を狙います。中心に近づくほど高得点で真ん中の10点部分はわずか11.5ミリです。


この競技で財津選手は2017年に全国優勝。2022年は2つの世界大会に出場するなど国内トップクラスの実力を備えています。


(財津美加選手)「練習の成果がしっかり試合で発揮されるので、そこが楽しいというのと、技術面だけじゃなくて精神面がすごく大きく影響するので、その難しさが逆にまた楽しいところです」

射撃で大分から世界を狙う財津選手。そんな彼女、実は…


財津選手が勤めるのは県警本部警備部の機動隊。災害発生時の救出活動や行方不明者の捜索など県民の命と安全を守る組織です。


(県警本部機動隊・財津美加巡査部長)「普段は隊員の勤務管理や出張の旅費の関係など総務や会計の事務業務が多いです」


財津選手は3年前、県警初の女性機動隊員として配属。機動隊の総務に携わりながらときには訓練に参加するなど多忙な日々を送っています。

(上司や同期)「いつも笑顔で仕事に対してはいつも一生懸命という印象です」「1つ1つの物事を大切にできる人という印象です。本当に同期としては鼻が高いというか誇らしいと感じています」


高校卒業後、警察官の道を選んだ財津選手は拳銃の訓練で才能を発揮。2014年の全国警察射撃競技大会での優勝を契機として本格的に射撃競技へ取り組んできました。

(財津美加巡査部長)「大分県警や大分県を背負って試合に出させていただけるというのはとても誇らしいことでありますし、私がこのように競技でいい成績を残すことで大分県を盛り上げていけたらうれしいので、がんばっていきたいと思っています」

■国体で初優勝 次の照準は2年後の「パリオリンピック」