物価高は戦争・大統領選・金融政策など“地政学的リスク”に左右される
【住】次のポイントとしては「物価高と賃金」があるかと思いますが、こちらも難しい課題ですよね。

【平】「物価高」については、まず“地政学的リスク”を意識する必要があります。
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続いていることに加え、パレスチナにおけるイスラエルとハマスの軍事衝突が発生しています。これがアラブ諸国の対立を深め、戦火が拡大するとエネルギー価格への影響が懸念されます。
【住】さらに、今年はアメリカの大統領選挙もありますよね。
【平】はい、今年はアメリカの大統領選挙のほかにも、今月13日に台湾総統選がありますし、ロシアの大統領選挙や韓国の総選挙など世界で大型選挙の多い年です。
この結果が地政学的リスクにどのような影響を及ぼすのかも気になるところです。
世界における「分断」は経済的な非効率を生むだけです。

さらに、これまでの物価高に対して欧米が金利を引き上げてきましたが、それが海外経済の減速につながり、それを踏まえて『欧米の金融政策が緩和方向に舵を切るのか』一方で『日本の超金融緩和政策が修正されていくのか』によって外国為替相場に影響が及ぶ可能性があります。それによって、日本の物価がどうなるかも変わってくると思います。