「人が足らん、人が足らん」だけじゃ解決しない

【住】まず「人手不足による供給制約」ということですが、労働力人口の減少が激しい長崎は慢性的な人手不足に陥っています。それにこれまでこのコーナーでも取り上げてきた「2024年問題」もありますよね。

【平】はい、今後さらに経済が正常化していくにつれて、人手不足の影響が強くなり、需要が回復しているのに供給が追い付かず、結果として“逸失利益”――本来ならば獲得できるはずの利益を逃してしまう――という可能性が大きくなりそうです。

【住】人手不足については、経済界でも重要なテーマとしてとらえていますよね。

【平】長崎商工会議所の森会頭も重視しています。

長崎商工会議所 森拓二郎会頭:
私、年末年始、伊王島に泊まったんですよ。アイランドナガサキに。聞いたらネパール人の方がものすごくたくさん、もう普通に働いていて。
(人手不足への)一つの回答は外国人の採用だと思いますし、あとはやはり各企業がオペレーションを見直して、効率化して、なるべく、少ない人手で仕事が回せるようなイノベーションを起こしていかないといけない。
やはりいろいろ知恵を出していかないと、人手不足を『人が足らん、人が足らん』というだけじゃ解決していかないのかなと思います。

【住】ネパールの方というのは、確かにまだ、なじみがないですが、外国人の採用をさらに進めていく必要はありますね。

【平】はい、そして、森会頭も話されていましたが、DX化やさらなる設備投資によって管理部門や生産現場の自動化や省人化を進めていく必要があると思います。
DX化に馴染まないサービス業などの分野は、人手に頼るしかないのですが、人の使い方の見直しが必要です。
さらに若者が定着できるような仕事や教育、それにUターンを促進する施策などが重要だと思います。