「早く妻がおるとこに行って謝りたい。一日も早く行きたいです」
40年連れ添った妻を殺害した罪に問われている75歳の男は、法廷で涙ぐみながら声を震わせ、こう証言した。
裁判の判決は12月26日、長崎地裁で言い渡され「懲役8年」の実刑判決だった。
近所では「仲の良い普通の夫婦」と認識されていた2人に何があったのか。
法廷では「金銭的な不安などがあり、殺害を避ける方法は思いつかなかった」と述べ、寝たきりになった妻を抱え、周囲に助けを求めることもできず、身勝手な犯行に及んだ過程の一端が明らかになった。
終わったな。娘のところに行って成仏してくれ


殺人の罪に問われているのは佐世保市の無職、前田敏臣被告75歳。
前田被告は今年3月、長崎県佐世保市世知原町の市営住宅の自宅で、当時74歳の妻の首を締めたあと、刃の長さが約20センチある刺身包丁を首に突き刺したとして殺人の罪に問われている。