「普通の暮らしがしたい」反対活動を続けて40年


岩下さんも毎日、石木ダム関連の工事現場で座り込みを続けています。強制測量から40年、住民らはずっと反対運動を続けているのです。


岩下すみ子さん「私たちも普通の暮らしができてないですもんね、皆さんと同じような普通の暮らしをしたいと思いますね」


ダム予定地内にある住民らの土地・建物は、3年前、県に強制収用されました。
しかし住民らは補償金の受け取りを拒否。立ち退くことなく、そのまま住み続けています。

岩下すみ子「もう強制、強制で権力をかざしたような、こういう事業のあり方っていうのはね、考え直して欲しいですね。考え直す時期が来てると思います」


こうした中、今年、12年ぶりに新しい知事が誕生しました。
就任後、すでに2回、現地を訪れています。


住民「ここからずっとですよ、ホタルだらけ。ホタル川なんです」
大石知事「子供たちにもホタルが思い出ですね」


選挙の際は、石木ダム推進の立場を明らかにしていた大石知事ですが、先月は反対住民とともに水没予定地域を視察しました。


これまでの知事には見られなかった行動だけに、周囲には "戸惑い" とともに "期待感" も広がっています。


大石知事「まずはしっかりと、この地域で川原の皆様方が守られていらっしゃるもの…それをまずしっかりと見て感じてですね。そこを拝見したうえでしっかりとお話し合いをさせていただきたいと思ってますので」

岩下すみ子さん「ここをそんなにまでして強制的に奪ってまでもダムが必要かっていうことですよね。何回も話し合いを続けるとおっしゃったから、それに期待したいと思います」


住民と行政との亀裂を生んだ強制測量から40年を迎えた今年、住民が望む「ダムの必要性」に立ち返っての話し合いが実現するのか。
今後の動向が注目されます。

※今回の記事のため、大石 長崎県知事へ取材を申し込みましたが「今は住民との関係を構築している途中の大事な時期なので、今回の取材は遠慮させてほしい」として、考えを個別に聞くことはできませんでした。