コロナ禍を経て、長崎の港にも、国際クルーズ船の姿が戻ってきました。
大きな経済効果が期待できるクルーズ船ですが、乗客の消費動向は以前とは少し異なるようです。

先月16日、およそ3年半ぶりに県内への受け入れが再開された国際クルーズ船。

長崎港を訪れるクルーズ船は2017年には年間260隻以上を数えましたが2020年の2月以降、ゼロに。

しかし、先月の受け入れ再開後はおよそ1か月ですでに20隻が入港し港町長崎の風景が戻りつつあります。

クルーズ船から長崎観光に向かう外国人:
「チャイナ服や着物を見たい」
「どこにでも歩き続けて探検したい」
「長崎でお寿司を食べたいわ。お寿司を食べられるからとっても興奮しているの」

クルーズ船の入港と共に外国人観光客が街に繰り出して観光を楽しむ姿が多く見られる様になりましたが、街の人たちはその客層に以前との違いを感じているようです。

岩崎本舗 山口 勝也さん:
「(外国人観光客)が増えましたね。欧米の方が多い印象ですね。」

アティック 野田 信治 代表取締役:
「今日は欧米系のお客様とかヨーロッパ系だなとか、本当にわかるくらい、欧米の方を乗せた船が長崎に入ってきている感じはものすごく受けます」

かつてのクルーズ客の多くは中国人で『爆買い』が話題に──

コロナ禍前は1隻あたり平均3,000人が乗船して来日。特に中国人観光客は日本各地で様々な商品を大量に買い付けていました。
その購買力は凄まじく、一隻のクルーズ船でおよそ6,000万円の経済効果があるとも言われていました。

しかし、クルーズ船の受け入れ再開後も、中国に対しては水際対策が継続されたこともあり、現状、“爆買い”する中国人観光客の姿はありません。

長崎市 文化観光部 観光交流推進室 竹下 祐一 係長:
「(現状は)欧米系の乗客の方がほぼすべてでございまして。
コロナ前は中国の船が7~8割占めておりましたけど、そこが大きく違うところ」

現在、入港予定がある5月5日までは、全て欧米からのクルーズ船です。

これまでの一隻あたりの乗船客数は、数百人程度が多く、最も多い日でも、およそ2,300人。
コロナ禍前の平均3,000人の乗船客数には届いていません。

長崎市では、中国と欧米の観光客の消費動向の違いを理解することがビジネスチャンスにつながるとしています。

長崎市 文化観光部 観光交流推進室 竹下 祐一 係長:
「(現状は)爆買いみたいに──例えばドラッグストアでたくさん買ったり、そういうのはない。
『日本ならではのもの』『その地域ならではのもの』そして『いいもの』をお買い求めになる傾向がありますので、そういったものをぜひラインナップしていただいて、商機をつかんでいただければなと」

欧米からの観光客は、どんなお土産を選んでいるのでしょうか?

(アメリカ ボストンから来たという)外国人:
「スカーフを買った。シルクのね」
「サングラスを買った」

着物や和風の小物などを扱う呉服店では、以前の中国人観光客と違い 実際に商品を購入する客が増えたと感じています。

高橋呉服店 高橋 孝次 代表取締役:
「こういういわゆるお土産ですけど日本画のものとかお扇子ですね」
(購入する価格帯は?)
「3,000円くらいまでかな。人によっては1万円。
そぞろ歩きをされながら色んな日本の文化とは商品とはお買い物を楽しむというのを、どんどんやっていただければ」