先月オープンした「長崎街道かもめ市場」長崎駅周辺の再開発で 新たなにぎわいを生み出しています。
一方で駅本来の役割として長崎観光の起点となり、周遊性を高める取り組みも始まっています。

長崎街道かもめ市場

長崎の”陸の玄関口” JR長崎駅の改札の正面に先月、オープンしたかもめ市場です。


延べ床面積4400平方メートルの施設内には、土産物店や飲食店など50店舗以上が出店。連日多くの客でにぎわっています。

JR長崎シティ 石田 宏輔 担当課長「ありがたいことに、まずは長崎県内の方に我々の想定以上に来ていただいた」

■ 長崎土産のショールームとして


かもめ市場でも特に人気が高いのが長崎かんぼこを販売する「喜味福」です。
創業60年になる長崎市の杉永蒲鉾が立ち上げた新ブランドの店です。

杉永蒲鉾 杉永 清悟 代表取締役社長「長崎のかんぼこがどうしたら美味しく見えるかということで、試行錯誤した結果、こういう形(揚げたて)になった」

店頭には目の前で調理されたかまぼこが常時10種類以上並びます。このスタイルが受け、この1ヵ月の売上は予測の120%超えです。
杉永社長は『全国に向けて県産品をPRする役割が かもめ市場にはある』と考えています。

杉永さん「長崎のお土産のショールームという形。ここでしっかり美味しいものを県外の皆さんに食べてもらって。全国で言うと(有名な)"さつま揚げ"とか"笹かま"とか名物があるんですけど、そこに"長崎かんぼこ"が いつか肩を並べられたら」

■ かもめ市場を観光の拠点に

一方、100年に一度といわれる駅周辺の再開発が進む中、『かもめ市場を起点に観光客を長崎市内の各地へ送りだす仕組み』が必要だ、と話すのは、都市のブランディングを行う企業の代表 稲田 勝次郎さんです。

リージョナル・アルケー稲田 勝次郎 代表「後ろの方に長崎駅が遠ざかってしまった様な状況になってまして。交通機関で言えば路面電車が離れてしまっている。町中に行くには路面電車が一番便利かなと思いますので、町中への回遊性をどうやって高めるのか。『町に行ってお店に行って、お金が落ちる仕組み』をどうするの?っていうところが、若干まだ後回しになっているという印象はある」


稲田さんが、かもめ市場の土産物店で販売しているのが、マスク用のアロマスプレー「長崎旅香(ながさきりょこう)」です。

駅から町中への観光を促すための仕掛けが施された商品です。

リージョナル・アルケー 稲田 勝次郎 代表「駅の方で最初から香りをマスクにつけていただければ、そこで体験ができますので、移動しながら楽しめる。長崎を香りという世界観で感じていただく。行ったことないスポットにも巡っていただいて、"長崎の良さ"に気付いてもらうというところも考えている」

「長崎旅香」は、ボトルのQRコードを読み込むと、長崎市内の観光スポットへの道のりがわかるほか、音声ガイドも聞くことができるなど ”駅からの周遊性”を高める工夫がされています。

「長崎旅香」には1種類につき、6箇所の観光スポットが紹介されています。
それぞれの観光スポットの風情や歴史からインスピレーションを得た"6つの香り"をブレンドすることで、ひとつの観光エリアを表現。現在は、5つのエリアの香りが商品化されています。

調香したのは長崎市を拠点に活動する調香師の浦山 純菜さんです。
こころとアロマ 浦山 純菜さん「今回は街の香りだったので街の歴史・文化・自然とか民話を紐解き、そこから私が感じたものを」

新大工エリアでは神社に注目しました。

長崎三社のひとつ松森天満宮からは殺菌作用もある"ヒノキ"。

ザボン伝来の地と言われる西山神社からはそのまま"ザボンの香り"を。

さらに中川2丁目にある中川八幡神社では、市内ではここにしかないといわれる花手水から"ラベンダー"を着想しました。

中川八幡神社(長崎市)の花手水

浦山 さん「花手水の世界観そのものというのをイメージして。あとは"新大工"という町から、どんな香りを作り出すか。フラワリーな香りだけれども華やかなお花というよりも気持ちが落ち着くような」


これらの香りを調合した「おたくさ」はさわやかで瑞々しく、心を落ち着かせる香りです。「香り」からリピーターを増やす効果にも期待しています。

浦山 さん「香りって、"一度嗅ぐと忘れられない"という体験があると思いますけど、においをかぐときって、実は鼻から入って脳に届くんですよね。観光地を香りで表現するというのはもう一度思い出してもらって、長崎にもう一度訪れていただきたたいなという思い出を思い出すきっかけの一つになればいいなと」

■ 地域との連携

陸の玄関口としてかもめ市場が街中に人々を押し出すポンプ役になるためには、地域との更なる連携が必要となります。

JR長崎シティ 石田 宏輔 担当課長「町中とつなげていくためには、我々だけでは完結できませんので、駅周辺の事業者様とより連携を高めていったりだとか、ゆくゆくは町中の事業者様と連携を高めていって、どういうことができるかというのをまずは模索していくことが、ことし取り組んでいきたいところだと思っています」

西九州新幹線より一足早く開業したかもめ市場。新幹線の利用客が本格的に増加する前に、かもめ市場を地域がどの様に活かしていけるかも考えていく必要がありそうです。