ベテラン船長の息飲む「神業」アプローチ
八代さんは船長の指示を受け、海上保安庁へ通報。「壱岐市の辰ノ島で事故が起きていて、今救助に向かっています」。
ここから、船長の熟練の技術が光ります。吉井船長は船の操縦歴35年。瀬渡し船を初めて10年以上。マリンレスキューの講習も受けている、まさに海のプロです。

冷静に、普段釣り客を岩場に渡すときと同じように、転覆した漁船の船底に自分の船「勘八」の船首をゆっくりと近づけ、押し付けました。
船長いわく、当時の波の高さは約2メートル。少しでも操縦を誤れば転覆船を傷つけたり、逆に3人を海に投げ出してしまうおそれもあります。
大きく揺れ動く中、瀬渡し船への足場は確保され3人は無事に乗り移りました。
「本当に助かった―…とおっしゃっていたのが印象的でした。死に直面している状況だったので解放された感覚があったのではないかと思います」(八代さん)








