長崎と韓国・ソウルを結ぶ定期航空便が去年10月27日に再開してまもなく1年となります。これまでの長崎県内経済への影響や今後の動向について取材しました。

長崎空港とソウル・インチョン空港をおよそ1時間半で結ぶ定期便は現在、週3便が運航しています。

定期航路の再開後、先月末までにソウルからはおよそ1万8000人の韓国人が長崎を訪れました。

韓国人観光客に長崎の印象や思い出を聞いてみると。

韓国人観光客「夜景を見に行きます。カステラも(飛行機は)すごく早く着きました。目を閉じて開けると到着しました」

韓国人観光客「軍艦島や野母崎、思案橋に行きました。路面電車も走っていてレトロな感じ」

韓国人観光客「刺身、ちゃんぽんおいしいですね」

長崎県の試算では、ソウル線を利用したインバウンド客によって再開後の1年で県内におよそ13億円の経済効果がもたらされたといいます。

長崎県インバウンド推進課・小宮健志課長「韓国からのお客様が26万人で、(令和5年から令和6年度で)約38%の増加。長崎ーソウル線の再開が要因の一つと考えています」

一方で、長崎からソウルに向かうアウトバウンド客が楽しみにしていることは。

長崎からの観光客「ショッピングとグルメですね」「激辛(料理)!」

長崎からの観光客「長崎から世界に行けるのがすごいなと思って」「美容とかグルメとかいろいろ日本にはない文化があるので興味があって」

韓国・ソウル。コスメショップやファッションの店が並び、伝統の鍋料理やスイーツを楽しめる飲食店も集まっています。

日本人にも人気のスポットですが、長崎からソウルを訪れた日本人の利用客はこれまでにおよそ3400人で、韓国人利用客の2割程度にとどまっています。

帰国した利用客は。

韓国旅行した客「食べ物もおいしくて韓国人の方も皆優しくて楽しかったです。帰りの便がホテルを朝4時に出発とかだったのでタイトスケジュールだった」

韓国旅行した客「(Q・便数的には?)少なくて朝もすごく早いので大変。日中(の便)とか増えたらうれしい」

ソウルから長崎へ向かう便は朝出発の1便だけのため、アウトバウンド客の利便性が課題となっています。

長崎県インバウンド推進課・小宮健志課長「高校・大学それから県内の企業の皆様に教育旅行や報奨旅行でご利用いただいて、(日本人の搭乗)割合を30パーセント近くまでもっていきたいと考えています」

現在の定期便は週に3日、1往復となっていますが、10月26日の週からは冬ダイヤとして火曜日にも運航し、週4便に増便します。

小宮健志課長「3泊4日ですとか4泊5日の行程が組みやすくなったなということで、将来的にデイリー(毎日)運航とか、1日に2往復就航するとか(航空会社に)検討いただけるように私たちもがんばっていきたい。」

インバウンド客の利用で県内に経済効果を生み出してきた長崎ーソウル線。さらなる観光振興のためには互いの国の魅力発信や利用客のニーズに合った運航体制づくりが求められています。