孤立させない、多様な選択肢
不登校となった子どもの孤立化を防ぐため、実際に県内ではどのようなサポートがあるのでしょうか。

長崎市にあるフリースクール「クレイン・ハーバー」フリースクールとは主に不登校の子どもたちを対象とした民間の施設です。学習支援だけでなく体験活動や相談などを通して子どもたちが安心して過ごせる「居場所」を提供しています。

こちらは平日午前9時半から午後5時まで開かれていて、田植えやキャンプなど野外活動に取り組んでいます。

フリースクール クレイン・ハーバー 中村 尊理事長「実際フリースクールで過ごしても、学校を卒業しても社会になってそう大きくハンデにはならないんですよね。だから学校がどうしてもつらいところであったら、他で学べるよという選択肢」

半年前からここに通っている小学3年生の女子児童。他の利用者との交流や活動を通して気持ちに変化がありました。

利用者(小学3年)「ここでは楽しいし、なんか、“行きたい”って気持ちがなる」
一方、長崎市では今年度から新たな取り組みを始めました。

(モニター画面)「皆さんおはようございます、きょうのメタバース登校を開始します」

ことし6月から長崎市が始めたメタバース登校は、小学4年生から中学3年生を対象に週に2日、オンライン上で開校。自宅にいながら指導教員や他の生徒と交流できる機会を提供するもので、現在11人の児童・生徒が登録しています。

指導教員によるホームルームから1日が始まり、社会と繋がる第一歩を支援します。事業開始から3か月で「楽しい」など、既に前向きな感想も寄せられています。

長崎市教育委員会 長崎市教育研究所 学びの多様化推進係 松尾明係長「メタバース上で意見交換をしたりとか、いろんな学びをした次には、実際にメタバースの中で顔を出して話をしようとか、そういう段階に少しずつ繋がっていったら、引きこもってるお子さんたちも外に出る勇気っていうのが出てくるんじゃないかなと思っています」

不登校支援は、自治体や民間団体が子どもの状況やニーズに応じて連携して進められています。

諫早市では、地域ぐるみで情報を共有・提供しようと、昨年8月、民間の支援団体などによる連携協議会が設立されました。まずは、学校以外にも「居場所」があることを知ってもらいたいとしています。
悩んでいるのは1人ではないということを子どもも、そして保護者も知るきっかけにもなりそうです。ゆっくりとでも良いので次に繋がる一歩を一緒に考えることが大切です。