猛暑が続くこの時期、冷凍庫に常備している人も多そうな夏の定番スイーツ、アイスクリームとシャーベット。購入するときに「カロリーが高いのはアイス?でもヘルシーそうなシャーベットも実は…」と迷ったことがある人も多いのではないでしょうか。
夏スイーツを太りにくく楽しむためのポイントは?体の内側から整える食習慣を提案する管理栄養士・かじゆたかさんに聞きました。
そもそも、間食は“1日200kcal”が目安!

かじさん「健康な日本人のエネルギー推定平均必要量(EAR)は、成人男性で1日約2,250kcal、成人女性で1日約1,950kcal。このうち、間食は10%=200kcal程度が理想的です。アイスでもシャーベットでも、それを超えてしまえば太るリスクは当然あります。同じ量を食べるならアイスクリームの方がエネルギーは高めなので、量には特に注意が必要です」
実はシャーベットの方が“脂肪を蓄えやすい”こともある!?
「アイスクリームの方がエネルギー高めということは、シャーベットの方がヘルシー?」そうとも言えない意外な落とし穴も。
かじさん「栄養成分に注目すると、シャーベットは果汁や砂糖が主成分で、脂質がほとんどありません。一方、アイスクリームは脂質と糖質の両方を含みます」
「糖質は消化・吸収が速いため、血糖値を急激に上げやすいんです。血糖値が急上昇すると、インスリンが分泌され、余った糖質は脂肪として蓄えられることがあります。そのため、糖質中心のシャーベットは血糖値を急上昇させやすく、場合によっては脂肪の蓄積に影響することもあるのです。特に、空腹時や夜遅くにシャーベットを食べると、血糖値が上がりやすくなります」
「一方で、アイスクリームには”乳脂肪(飽和脂肪酸)“が多く含まれています。そのため“LDLコレステロール(悪玉コレステロール)”が気になる方は、量や頻度に気をつけましょう」
疲れた時に食べたくなるスイーツ…逆に「疲れ」に繋がることも
かじさん「糖質をエネルギーに変えるには、ビタミンB1が欠かせません。ところが甘いものをたくさんとると、その代謝にビタミンB1が多く使われ不足しやすくなります」
「ビタミンB1が足りないと糖質をうまくエネルギーに変えられず、疲労感やだるさにつながることも。ですので、アイスクリームやシャーベットを食べすぎると『夏の疲れ』に直結することもあるんです。普段の食事で豚肉・枝豆・玄米など【ビタミンB1を含む食材】を意識して取り入れてみると良いと思います」
結論:どちらを食べてもOK!大切なのは“選び方と食べ方”
かじさん「どちらが絶対に良い・悪いということはありません。大切なのは、自分の体調や生活に合わせて選ぶこと。例えば、血糖値の急上昇を防ぎたいなら、・シャーベットは日中や食後に・寒天や豆乳入り、果物と合わせるなど“糖質+食物繊維・たんぱく質”の組み合わせにするといった工夫が効果的です」
「また、アイスクリームのように脂質と糖質がセットになっているスイーツは血糖値は急には上がらないけれど、長時間高く保たれやすいため、ダイエット中の方は特に“量”に注意してください。どちらを選んでも、時間帯に気をつけて、適量を楽しむことがポイントです」
夏のスイーツ、賢く選んでおいしく楽しもう!
アイスかシャーベットか――悩んだときには、自分の体と相談して“食べ方”を工夫してみては?健康を意識しながら、おいしい夏を楽しみましょう!
《管理栄養士かじゆたかさん》広島県出身で長崎県在住。ダイエットによる過食や慢性的な肌荒れに悩まされたことも。この経験から、体の内側から整えることの大切さを実感し、『インナービューティープランナー』として活動中。