来月9日の長崎市の平和祈念式典で、被爆者の歌声が3年ぶりに響きます。被爆者が歌で平和を発信する「ひまわり」。本番を目前に練習は大詰めを迎えています。

「もう二度とつくらないでわたしたち被爆者を」

「ひまわり」主宰者・寺井一通さん「最後の最後、思いを込めて、皆さん、世界に向けて『もう二度と』を思いの限りで歌いたいと思います」

2010年から、平和祈念式典で歌を披露してきた被爆者の合唱団「ひまわり」。高齢化で、3年前の式典への出演を最後としていましたが、被爆80年の今年、もう一度式典で歌う決意をしました。
「ひまわり」主宰者・寺井一通さん「(日本被団協の)ノーベル平和賞ですね、きっかけは。(今度の平和祈念式典は)本当に世界中のたくさんの方たちが見事に注目するだろう。そこの中で、被爆者が80年経ってもこんな力強い歌声をね、歌ってるんだぞっていうことをやっぱり知らしめたい。もう一回最後をくれと」

会が解散した後も活動を続けてきたメンバーに、かつての仲間や新たなメンバーも加わり、被爆者30人あまりで代表曲「もう二度と」を歌います。

♪「聞こえていますか被爆者の声が」

広島で被爆・上西幸子さん(90)「歌詞の通りですね、『もう二度と』っていう(思い)ね。私もともと広島で原爆に遭ってますのでね、家なんかも全部やられたので」

牟田満子さん(89)「命がけでやっぱりこの歌を歌ってね、平和を願っていきたい。原爆っていうのは本当に怖いからね、二度とこんな自分の遭ったような爆弾が二度と世界でなかごとですね」

被爆80年の平和祈念式典。平和を願う思いの全てを込めて被爆者として最後の歌声を届けます。