上司からのパワハラが原因で自殺した警察官の遺族が長崎県に損害賠償を求めていた裁判で、原告は23日、判決を不服として控訴しました。一方、被告の長崎県は控訴しない方針であることが分かりました。

この裁判は2020年、長崎県の佐世保警察署に勤務していた男性警部補(当時41歳)が自殺したのは、上司に日常的なパワハラや長時間労働を強いられたことが原因だとして、遺族が県に損害賠償を求めていたものです。

今月10日、長崎地裁の判決では、県警に安全配慮義務違反があったことを認め、県に損害賠償や未払いの残業代など約1億3500万円を支払うよう命じました。

当時の上司に重大な過失があったと主張する原告は、判決でパワハラ行為に関する具体的な言及がなかったことを不服として23日、控訴しました。

県警本部監察課によりますと、被告の県は判決を重く受け止めるとして、控訴しない方針だということです。