■東京2025世界陸上競技選手権大会(18日、国立競技場)

女子5000m予選が行われ、日本記録保持者の田中希実(25、New Balance)が14分47秒14の組5着で決勝進出を決めた。1500mでは無念の予選敗退となった田中が、5000mでは快走を見せ、日本勢初となる19年世界陸上ドーハから4大会連続で決勝に駒を進めた。

上位8人が決勝へ進める女子5000m予選。1組目に登場した田中はレース直前、目を閉じて集中力を高めてからスタートを切った。レース序盤は山本有真(25、積水化学)と田中の日本勢2人が先頭に立った。2000mを通過しても山本が1位、そのすぐ後を2位で田中が追う展開。3番手に10000mの銀メダリストN.バットクレッティ(25、イタリア)、4番手に世界記録保持者のB.チェベト(25、ケニア)がついた。

残り6周に入った所で田中が前に出て大きくペースを上げると、山本は遅れ、チェベト、バットクレッティら外国勢が、すぐ後ろに続く。3400m通過時点でも田中はトップをキープし、冷静に足を運ぶ。田中は1位ラスト1周に入り、終盤に抜かれたものの5着でフィニッシュ、4大会連続となる決勝進出を決めた。

レース後、田中は「自分の走りに集中するっていうことを大事にしていた」と振り返り、「今シーズン、最初に“トップ・オブ・トップ”を目指すっていうことを言ったことで、自分で縛られてしまって、ラストで勝ち切ることやハイペースで押し切る事を意識して、自分を見失っていた」と反省も口にした。「今は白紙に戻して、とにかくもう1回自分らしさというのを取り戻したい」と決勝ではさらに田中らしい走りを目指すと意気込んだ。

田中は前回の23年世界陸上ブダペスト女子5000m決勝で14分58秒99をマーク、97年アテネ大会での弘山晴美以来26年ぶりの8位入賞を果たした。20日に行われる決勝で7位以上に入れば、日本女子史上初めての快挙となる。

13日の1500m予選にも出場した田中は、4分07秒34の10着でフィニッシュし予選敗退となった。22年オレゴン大会、23年ブダペスト大会に続く3大会連続の準決勝進出はならなかった。