隣の隣にあった――“田辺文具店”の記憶

大黒町で家が青果店を営んでいたという山田正和さんに、映像を見てもらいました。

山田正和さん(91):
「田辺文具店…。実家の隣の隣にあった」

山田さんは被爆直前の町の復元地図を持っていました。そこには、山田さんの家だった青果店の隣の隣に、確かに「田辺文具店」の名前がありました。

場所は、男性が伝言を書いていた建物の道向かい。伝言が書かれた建物は「土蔵」だといいます。被爆後の写真を見ると、田邉文具店は全壊し、跡形もなくなっています。

山田正和さん(91):
「大黒町には、9日の午後1時か2時位に火が来とるとやもんね。それで土蔵なんかは残っとるわけさ。原爆でけがした人は戸板に乗せられて連れてきよったりしよったとよ」