毎日…毎日…放射線の恐怖
戦後、千代子さんは教師を続けながら、直美さんを必死に育てました。娘の身体に、被爆の影響が出るのではないかー。千代子さんの生前の証言には、人には言えない不安な思いも語られています。

江頭千代子さん(1970年放送「被爆を語る」より):
「これはね、被爆した者でないとわからないです。『直美にいつ白血病が出ないかしら…』とね…。人には言いませんけどね。男のように強がったようなそぶりはしてましたけど、内心はまいーにち心配してました。鼻血が出てもあらっ!とびっくりしたり、子どもが生まれるとなっても『満足な子どもが生まれるのかしら』と思ってね…。影ではほんと心配しました」
直美さんの涙
初めて聞く母の思いー、直美さんの瞳からは涙があふれて止まりません。

江頭直美さん:
「…はじめて聞きましたので……びっくりしました。母もあんまり話さないし…。ありがたいと思います。何もなければ死んでますから。生きるというのがどんなに大事かということが分かってきたですね」