灰になった子どもたち

しかし、自宅にいた長女の美津子さん、次女の晴美さん、三女の和美さんと義理の母親は即死。被爆した長男と夫もその後、後を追うように亡くなり、千代子さんは家族6人を原爆で失いました。

江頭千代子さん(1990年取材):
「子どもたちは何にも知らない…。『お母さん』の『お』の字も言わない間に真っ黒い炭になってしまって…灰になって…。人間の手で殺されたのかと思えば戦争が憎らしくて憎らしくて。45年、毎日、毎日、8月9日のような気がするのです」